広島カープ・新井貴浩監督

 2026年シーズンで国内FA(フリーエージェント)権を取得した、広島東洋カープの森下暢仁投手が10月4日に権利行使した。地元の大分県からほど近い福岡ソフトバンクホークスをはじめ、複数球団による争奪戦が見込まれる。

 ルーキーイヤーの2020年に10勝を挙げて新人王を獲得、7年間で60勝を積み上げたエース右腕。広島球団は森下をはじめ、同じくFA権を取得した坂倉将吾捕手、床田寛樹投手に「宣言残留」を認めているが、マネーゲームには参戦しないだけに移籍の可能性が高い。

 また前日の3日に、2027年コーチングスタッフが発表されたばかりのタイミングに、FA宣言を決断した森下の“心情”を察するファンもーー。

《1軍コーチ陣ら変わってないな〜 外部からの打撃コーチをとるべきやで》
《小窪と新井弟はダメだよね 新しいコーチ呼んで 欲しかったな~》
《一軍打撃コーチの新井良太さんは、どのような選手を育てた実績がある方なのでしょう?》

 10月3日の本拠地最終戦で「我々カープは、来シーズン生まれ変わります」と宣言してみせた新井貴浩監督だが、変わり映えしないコーチ陣に「来年も全く期待できない」とネット。中でも“槍玉”に挙げられたのが、一軍打撃コーチ・新井良太コーチの「残留」だった。

今季得点はセ・リーグ最下位の現実

 2023年の新井監督就任と同時に、二軍打撃コーチに招聘された実弟・良太コーチ。阪神タイガースでも5年間の指導経験があるが、それでも新井監督との抱き合わせに当初は“身内人事”と揶揄されることも。

 二軍で若手選手の育成に勤しんでいた良太コーチだが、一軍打撃コーチに昇格したのが2025年のこと。ところが、この年の得点はワースト2位で、さらに貧打に喘いだ2026年シーズンは431得点で最下位。1位の横浜DeNAベイスターズが557得点と100得点以上の差をつけられ、Aクラス入りに向けて得点力向上が課題なのは明らか。

 それだけに結果を出せなかった、同打撃コーチの来季の続投、残留に納得いかないファンも多いわけだ。

フリーアナの河村綾奈との結婚を報告した広島・新井良太コーチ(公式インスタグラムより)

 その煽りを受けるのが投手陣で、例えば23試合の登板で7勝に終わった今シーズンの森下。9月18日の阪神戦では7回106球を投げて、佐藤輝明選手や森下翔太選手らが並ぶ強力打線を相手に2失点で抑えるも、試合は1-2で敗戦。この阪神戦を含めて、7試合連続でクオリティ・スタート(6回で自責点3点以内)を達成したにもかかわらず、この間を1勝5敗と“勝ち星”に見舞われなかった。

 つまり、いくら好投したところで打線の援護がない、いわば“見殺し”が多いシーズンを送った森下。関西球団を取材するスポーツライターが代弁する。

弟・良太コーチだけの責任ではない

「もちろん得点力不足は、新井良太コーチら打撃コーチ陣だけのせいではなく、“バント”にこだわる新井監督の消極的采配も一因と見られます。それでも“身内”を要職に置き続けている以上、結果が出なければ新井兄弟への“当たり”が強くなるのも無理はない。

 そして各球団によって登板数、イニング、防御率、WHIPやQSなど年俸の査定方法は異なりますが、やはりチーム勝利に貢献した証でもある“勝ち星”は投手にとって査定以上に特別な物。勝てるチームでプレーしたい、優勝したい、そしてプロ野球選手としてお金を稼ぎたいという気持ちは当然と言えます」

 FAは選手が勝ち取った権利だ。これまでカープで頑張ってくれた森下の決断ならばファンも受け入れてくれるだろう。