来年1月7日から2月5日までの開催を予定していた『AFCアジアカップ サウジアラビア2027』。2018年7月にA代表の監督に就任した森保一監督が率いる“最後の公式戦”となるはずだったのだが、まさかの異常事態に見舞われている――。
アジアカップ延期で森保監督の進退は――
「中東情勢の悪化に伴い、開催日程を1年延期するとの発表がありました。新たな日程は2027年12月23日から2028年1月21日まで。アジアカップ終了までは森保監督が率い、その後は大岩剛監督にバトンタッチする予定だったのですが…。
10月から開催されたキリンカップでは、決勝でニュージーランドを下し、見事15年ぶりの優勝を果たしました。現状は有終の美を飾った形ではありますが、森保監督の最後の公式戦として、アジアカップに焦点を当てていた人も多かったです。どのタイミングで大岩さんに交代するかは明らかになっていませんが、釈然としない思いを抱くサッカーファンは少なくないでしょう」(スポーツ紙記者)
キリンカップでキャプテンを務めた堂安律は、優勝後のインタビューでアジアカップについて問われると「森保さんのためにアジアカップはやり遂げると覚悟を決めているので」と語っていた。
選手からの信頼も厚い森保監督。前出のスポーツ紙記者は「延期されたアジアカップまで指揮を執る可能性もある」と推測する。
「アジアカップの延期によって、現在大岩さんが監督を担うU-23のアジアカップと日程が被ってしまったのです。予定していたとおり、大岩さんがA代表、別の方がU-23監督という可能性が高そうですが、このまま森保体制を継続するという選択肢も考えられるのでは。
堂安選手が話したように、“森保さんのために”と、アジアカップ優勝を掲げる選手も多いはずです。異例の延期になりましたが、日本サッカー協会(以下、JFA)がどのような判断を下すのか。注目が集まっています」
森保監督の去り際に関心が集まる中、あるサッカーメディア編集者は、昨今のJFAを取り巻く問題について、次のように話す。
「この1週間のうちに、JFAが下した2つの決断に批判が寄せられているのです。
ひとつは岡田武史元副会長の辞職です。岡田さんは“今回のFIFAワールドカップをめぐる一連の対応については、私自身の信条との間に大きな隔たりがあり、それを1人のスポーツマンとして受け入れることができず、このたびの決断に至りました”と語っていました。これは今年のW杯において、審判団の判断に米国のトランプ大統領がクレームをつけたことから端を発したものです。
FIFA会長のインファンティノ氏の対応に納得できない関係者も多かった中で、FIFAの次期会長選に向けてJFAの宮本恒靖会長はインファンティノ氏を支持したのです。岡田さんはこの宮本会長の方針に失望して、辞職したのではとされています」
サッカー協会に募る不信感
もうひとつは、元代表選手による提言への処分問題だ。
「J2リーグ藤枝MYFCを率いる槙野智章監督が、審判団のジャッジに対し、“マジでJ2のレフェリーのレベル上げないと壊れます”“こういうレフェリングをしている人が普通に吹いたらダメ”などと苦言を呈したのです。これは単なる文句ではなく、誤審であるとJFAも正式に認めていました。
しかし、JFAは槙野監督に2試合ベンチ入り停止と、罰金10万円の処分を下しました。当然、納得できない人が多数を占め、JFAへの不信感は募るばかりとなっています。
こうした逆風が吹く中で、今回のアジアカップ延期問題が発生しているのです。保身や事なかれ主義という声も寄せられる中、JFAはどのような対応を取るのか。信頼を取り戻すためにも、納得できる説明が必要になるでしょう」
この2つの事象については、
《岡田さんがJFAの役職を退任したのが分かる気がする。根本的にJFAは今の課題問題点に正面から向き合おうとしない体質であり、これで日本のサッカー界が良くなるはずがない。 槙野監督を全面的に支持します》
《これで審判を守ったつもりなんだろうか? 公平なジャッジができない組織が何を守れると思って判断してるんだろか?》
などの声が上がっていた。
11月4日にはシンガポール遠征に臨むメンバー28名を発表した森保監督。アジアカップについて聞かれると「まずは目の前の活動にベストを尽くす、そして未来に繋げていくと考えています」とコメントし、前を向いている様子だった。
懐疑的な視線が注がれるJFA。世界一を本気で目指す選手・サポーターのためにも、透明性のある舵取りを示すことが強く求められている。
