『映画ちいかわ人魚の島のひみつ』立て看板 撮影/編集部

 11月に差し掛かり、最高気温も20度を下回るようになり2026年も残り2か月を切ったところで、毎年恒例『2026年 新語・流行語大賞』にノミネートされた30語が発表された。

流行語に『ちいかわ』関連がノミネート

 大人気アイドルM!LKの楽曲『好きすぎて滅!』や、冬季オリンピックで金メダルを獲得したフィギュアスケートペア三浦璃来&木原龍一の愛称である『りくりゅう』など、目覚ましい活躍が光った単語から、『ドパガキ』『フレネミー』『ホビ垢』などのまさに今年の“流行語”もノミネートされた。

 そんな中、今年の興行収入でトップを独走している大人気アニメ『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』に関連する2単語がノミネート語に名を連ねた。

「ひとつは、作中に出てくるキャラクターが発する『なんとなれーッ(なんとかなれーッ)』。もうひとつは『ちいかわ(現象)』です。現状の映画の興行収入は186億円を突破しており、大台の200億円に迫る勢いを見せています。この数字は歴代の映画興行収入ランキングでも12位に位置する特大ヒット。好成績の要因は元々のアニメ人気もさることながら、映画特典もその一端を担っているようです。

 本作で初めてちいかわ作品に触れた大人や子どもも多かったですが、“ちいかわワールド”の虜になっている人も少なくないようです。今作をきっかけに新たなファンも獲得するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し続けています」(映画ライター、以下同)

 好調の一因として挙げられた特典は、現在“第7弾”。今年流行したミニチャームや、流行語にもノミネートされた『ボンボンドロップシール』など、流行りのアイテムが用意された。熱心なファンの中には特典目当てで、何度も劇場に足を運ぶ熱心なファンも散見され、ネット上では10回以上鑑賞したという報告も複数上がっている。

諸刃の剣・特典戦略

 こうした“特典戦略”は、日本だけにとどまらず海外でも人気だというが、これは歴代興行収入ランキング1位2位を独占している『鬼滅の刃』シリーズと同じ戦略になる。

『映画ちいかわ人魚の島のひみつ』特典第2弾(公式サイトより)

「『鬼滅の刃』にいたっては、第17弾まで実施されるという、もはや異常ともいえる事態になっていました。ちいかわがどこまで特典を伸ばすのかは明らかになっていませんが、ファンの間では“ちいかわ戦争”と呼ばれるほど、グッズの争奪戦は過熱で転売ヤーも参戦していることから、“引き延ばせばいい”という状況ではなくなっています。

 今年に絞っても、ANAやくら寿司など、企業コラボでの問題も多発。売上に最大の目的を置く場合、特典は大きな武器になりますが、その分、運営側の信頼を失っていることも確か。ファンたちの、“ちいかわ疲れ”も顕著に表れているのです」

 流行語でも『ちいかわ(現象)』と、あえて(現象)をつけていることから、その人気が及ぼす影響は明らか。流行語ノミネートにあたっては、称賛の声が寄せられた一方で、長年の追っかけはため息を漏らす。

「ライトなファンにとっては嬉しいことかもしれませんが、競争が激化すると思うと、手放しに喜べません…。また来年もオリジナルやコラボグッズの戦争がはじまると思うと、正直、辟易しますね」

 “古参勢”の呆れや疲れも見られる中、今後のちいかわの戦略はいかに――。