『ドン・キホーテ』に買収されて以降、初めてのクリスマス商戦を迎える『トイザらス』(公式Xより)

 10月末のハロウィンを終えた日本が迎える次なる一大イベントはクリスマス。激化する商戦に向け各企業が準備を進める中、子ども向けおもちゃ販売大手の『トイザらス』では、11月5日からひと足先にキャンペーンを始めている。

『トイザらス』がクリスマスに向けキャンペーン開始

 異例のスタートダッシュを切ったが、こうした戦略は今年10月に行われた“大きな動き”に起因するものと推察されている。

「10月にディスカウントストア『ドン・キホーテ』を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)が日本『トイザらス』の事業を買収したのです。

 日本『トイザらス』は少子化を背景に、家電量販店やEC業界との競争激化に伴い、業績が低迷していました。来る10月1日には東京地裁へ、借金や債務の債権を図るために用いられる民事再生法の適用を申請したのです。これに対し、PPIHがスポンサーとして名乗りを上げた結果、買収という結末に至りました。

『トイザらス』の屋号は残し、従業員の雇用も維持するとのことです。今回の早期商戦には、PPIHの戦略が絡んでいるのではとされています」(玩具メーカー関係者)

『トイザらス』キャンペーンでは、80%オフの商品も(公式Xより)

 PPIHの傘下に入ってから初めて迎えるクリスマス商戦。今年のキャンペーンは例年より1週間ほど早いというが、その狙いとは。

「“年末の多忙な時期の買い物を避けてもらう”“売り切れ前に人気商品を手に入れてもらう”等、さまざまな目的があるようです。このキャンペーンでは『ドンキ』の強みを活かし、たまごっちやレゴなど、約40の人気商品の中には最大で80%引きで売られるものもあるといいます。

 また、店舗で購入した商品を12月25日まで店側に保管してもらう『サンタ取り置きサービス』も開始。今までの『トイザらス』とは一風変わった施策が打ち出されています」(玩具誌ライター、以下同)

売り場の10%を遊び場に

 らしさを残しつつ、『ドンキ』イズムも反映させ、進化を遂げる『トイザらス』。東京都港区にあるお台場店では売り場面積の1割を子どもたちの“遊び場”とする試みも行われている。

 一見すると、親が喜ぶの施策に思えるが、懸念点もある。

「“託児所化してしまうのでは”という見方も少なくないのです。子ども同士のトラブルや、危険な方法での遊具の使用など、安全やマナー、運営上の問題は何度も取り沙汰されています。

 買い物中に子どもを遊び場に預ける親御さんもいるでしょうが、トラブルが発生したら、店舗側はどう対応するのか。そのあたりもクリアにできると、需要はより高まるのではないでしょうか」

早期のスタートダッシュを切った『トイザらス』のキャンペーン(公式Xより)

 幼いころ『トイザらス』で夢のような体験をした子どもたちが大人になり、いまや子どもを持つ親になっている。『トイザらス』に歓喜した経験を持つ親からは“生まれ変わり”を期待する声が多く寄せられていた。

 ネットショップ利用が増加する中、リアル店舗に求められていることとは。『トイザらス』の今後に期待したい。