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年金ってそもそも本当にもらえるの? 今回は年金にまつわる数えきれないほどの"ハテナ"を20代の若手社会人がお勉強! 年金のギモンを一気に解決しましょう。年金問題に詳しい学習院大学の鈴木亘教授と社会保険労務士の北村庄吾さんにお話を伺いました


年金を増やす方法はあるの?

 若い世代ほど受給額は減らされ、受給年齢は引き上げられ……。少しでも年金を増やす方法はもう残ってないの? 絶望的!?

 しかし、社会保険労務士の北村庄吾さんはわずかな希望を教えてくれた!

「民間保険会社の個人年金はオススメです。年間の保険料を8万円以上払うと、4万円が控除される仕組みになっています。計算すると月々の支払額は約6600円。2回くらい飲みに行ったと思って払えば、そこまで無理な金額ではないでしょう」

 8万円と聞くと一瞬ためらうけれど、そう言われれば払えるような気がしてきた……。

「税金の控除もあるし、銀行預金よりよっぽど利率もいいですよ。銀行にお金を預けているだけの状態を、私は"お金を遊ばせる"と言っているのですが、私たち人間だけじゃなく、お金にも働いてもらわないともったいない」(北村さん)

 自分の口座にコツコツ貯めることがいちばん確実だと思ってた20代記者。保険会社のパンフレットを集めてみようっと♪

始めるには若いうちがベストな老後対策

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「20代の人は、"時間"というすごくいいものを持っています。年金世代になるまで約40年あるわけですから、多少のリスクが伴いますが、金融商品に手を出してみてもいいかもしれません」(北村さん、以下同)

 ここでいう金融商品とは、株式投資や投資信託のこと。でも、株価は常に上がったり下がったりで不安定なイメージ。儲かるのは一部の勝ち組だけで、ソンするだけなんじゃないの?

「年を重ねるほど、リスクがある商品に手を突っ込むのは危険。だからこそ若い人におすすめしたいのです。ただ個別の株の銘柄はリスクが大きいので、投資信託のほうが安心かな」

 多少のソンをしたとしても、20代はまだまだ残りの人生が長い! 取り返す時間は残ってる!

「その商品を自分でよく見極めて、選択することが大切です」

 むやみやたらに投資するのではなく、情報収集したうえでプロに相談するのも、ひとつの手。チャレンジは若いうちに!

結婚するならやっぱり公務員!?

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 "結婚相手には公務員がいいよ"と周りから言われてきた20代記者。とにかく公務員は保障が安定しているから、と。そもそも、その"安定"って何?

「公務員との結婚にはメリットがいっぱい。制度としていつまでもつかはわかりませんが、例えば20代で60代の公務員と結婚したとして、相手が死んだら『遺族共済年金』をずっと受け取ることができます」(学習院大学経済学部の鈴木教授、以下同)

 遺族共済年金は夫の加入実績に応じて計算される。夫の死後、妻は生涯にわたり生きている限り、そのうち4分の3の額を受け取ることができる制度。前述したように、年金の一元化によって遺族年金も『遺族厚生年金』に統一される。

「あくまでひとつの方法ということですが、今の年金制度のうえでいちばんトクするのは60代の公務員と結婚することでしょうね」


鈴木亘教授:経済学博士、学習院大学経済学部教授。年金をはじめ社会保障分野のエキスパート。『社会保障亡国論』(講談社現代新書)ほか著書多数

北村庄吾さん:(株)ブレインコンサルティングオフィス代表、社会保険労務士。年金博士としてNHK『団塊スタイル』をはじめ各メディアで活躍