また、フケもニオイをより強くする元凶になる。フケは細菌の栄養分になるのだ。
「フケの原因はストレス、睡眠不足、刺激物・甘いものの過剰摂取です。また、真菌というカビの一種が原因であることもあるので、異常にフケ・かゆみが多い人は診察を受けてください」
■ミドル脂臭の元は、頭の汗に含まれる乳酸
ボディー編でも紹介したが、後頭部から首の後ろに発生する「ミドル脂臭」は、主に30~40代で強く発生。
「マンダムさんが名づけた新たなニオイのもとで、原因成分のジアセチルは、頭の汗に含まれる乳酸が頭皮表面のブドウ球菌によって分解されることで発生する。しかも、加齢臭や口臭よりも強烈で、やっかいなことに、ニオイが空気中に広がりやすいんです」
対策としては、汗に疲労物質である乳酸を含ませないこと。血行が悪くなったり、酸素が足りないとジアセチルが生成されやすくなるので、疲れをためないこと。また、発生部位をよく洗うこと。
■洗いすぎは髪が傷み、ニオイがひどくなることも
「髪の毛はそれ自体がニオイを発するということはなく、外からニオイ物質が付着することで、嫌なニオイが出てしまいます」
ニオうからといってゴシゴシ洗うと、髪のキューティクルが傷つき、そこに細菌が入り込んでさらにニオったり、油分が足りなくなって皮脂の分泌が盛んになり、脂が酸化し、結果ニオうことに。
「朝シャンなど、洗いすぎは実はニオイのもと。洗いすぎないことがポイントです。アミノ酸系のシャンプーでやさしく洗い、洗髪後は低温のドライヤーでしっかり乾かしましょう。生乾きの髪はニオイが付着する原因になります」
■頭皮と髪が元気になる“塩シャンプー”がオススメ
(1)洗面器に濃いめの塩湯を作り、その中へ頭ごとつける
(2)頭の汚れは髪よりも頭皮の汚れなので、髪は湯の中で泳がせるようにし、その後ゆすぐだけで十分キレイになる
(3)頭皮は爪を立てず、やさしくつまむように、自分が気持ちがいいようにマッサージする(頭皮に塩湯がつけにくいなら、ドレッシング容器など細い口のついている容器に塩湯を入れて注ぐと便利)。3日に1日程度がベター。
(取材・文/中尾巴 イラスト/柏屋コッコ)
〈お話を伺った先生〉
五味クリニック院長・五味常明先生 ●昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科などで形成外科学、多摩病院精神科などで精神医学を専攻。医学博士。体臭多汗研究所設立。著書に『気になる口臭・体臭・加齢臭』などがある。