最近、リフォーム市場が熱いらしい。それもそのはず、とっても、お得なポイント還元制度が実施されていたのです。早ければ冬前に財源が尽きてしまう可能性も。リフォーム予定の人はお急ぎを!!

「省エネ住宅ポイント」とは、その名のとおり、省エネ型住宅の新築、または断熱や節水につながるエコリフォームに対し、ポイントがもらえる制度のこと。ポイントは1ポイント1円換算で商品券などと交換でき、最大獲得ポイントは、一戸あたり30万ポイント。所定の書類に記入し、各種証明書類を添付して申請すると、ポイントが発行される。

 この制度は、もともと「住宅エコポイント」として2009年に立ち上がったもの。実施は2010年、2012年に続き3回目となる。対象となる工事期間は、2014年12月27日~2016年3月31日だ。

 今回の特徴は、水回りのリフォームでも、ポイントが獲得しやすくなったこと。以前は、「窓の断熱リフォーム」もしくは「外壁、屋根・天井または床の断熱改修」が必須で、「節水型トイレ」など水回りのリフォームは、これらと組み合わせることではじめてポイントが発生した。

 一方、現行の「省エネ住宅エコポイント」では、「窓の断熱リフォーム」1点以上、または「節水型トイレ」「高断熱浴槽」「節湯水栓」「高効率給湯器」「太陽熱利用システム」のうち3種類以上を設置することで、ポイントが発生する。

■効率よくエコポイントを獲得できる方法は?

 そんな疑問に対し、「オススメは、窓のリフォームですね」と断言するのは、LIXIL リフォーム事業部・藤原正行さん。

「エコへの近道は、実は窓なんです。窓は、冷暖房で調整した空気が部屋から外へ漏れ、冬は冷気、夏は熱気が外から入ってくる場所。そこを断熱すると、冷暖房のきき方や設定温度がまったく変わってきますよ」

 なかでも藤原さんがプッシュするのが、今ある窓の内側にもう1枚窓をつける「内窓設置」だ。この工事なら、既存の窓は壊さずできるため、安くて手軽。リフォームといえば、業者が立ち入ることに何かと負担を感じるものだが、この工事なら1窓1時間で完了する。費用は1・6平方メートル未満の小さな窓で4万1000円~、ポイントは8000ポイント~と、還元率も高い。しかも、小さな窓1か所からでもポイントが発生するとあって、エコリフォームの“入門編”として理想的な存在なのだ。同社が受注する窓のリフォーム売り上げは、「住宅エコポイント」がスタートして以来、制度実施時で最大3倍にも伸びたといい、その人気ぶりがうかがえる。

■エコリフォームで光熱費が1年中お得に

 もちろん、光熱費もお得になる。例えば、リビング、寝室、子ども部屋など、家族の滞在時間が長い部屋を選び、先に挙げた「内窓設置」工事を大きな窓3か所、中・小さいサイズの窓1か所ずつ行うと、年間1万4000円の光熱費が節約できるという(LIXIL水道光熱費シミュレーションによる)。

 また、エコリフォームの効果が実感でき、1度に大量のポイントを獲得できるリフォーム個所として、藤原さんは浴室を挙げる。

「エコリフォームに加えて、バリアフリーリフォームを行うと、そこにもポイントが発生するんです。その恩恵をまとめて受けやすいのが浴室。例えば、高断熱浴槽と節湯水栓、高効率給湯器を設置し、手すり、段差の解消、出入り口幅の拡張を行うと、9万3000ポイントが発生します。高断熱浴槽は4時間で2度ほどしか湯温が下がらないため、追い焚きの回数がグッと減りますし、節湯水栓は、最大で35%ほど節水ができます。省エネ効果を実感しやすい個所でもあります」

 浴室を含む水回りは、リフォームを考える人が最も多い場所。今なら寒い冬に間に合い、さらにポイントも獲得できる。ベストなタイミングというわけだ。

■チャンスは今! 制度は早期終了の可能性も

 最後にチェックしたいのが、獲得したポイントの使い道。発生したポイントの交換用途は、全国で使える商品券やプリペイドカード、カタログギフト、被災地で生産・製造された商品、エコ性能に優れた商品など幅広い。

 一例を挙げるだけでも、コンビニエンスストアなどで使える「クオカード」、仙台牛のステーキ、魚沼産こしひかり、三陸・岩手県産のいくら醤油漬けなど魅力的な商品が並び、目移り必至だ。また、エコリフォーム以外の追加工事を行う場合、ポイントをその料金に充てることができる。

 ただ、注意したいのが、「省エネ住宅ポイント」の財源には限りがあるということ。用意された予算は905億円で、これを使い切った場合、2016年3月31日前であっても終了する。

 国土交通省の公表によると、2015年5月末での発行ポイントは、約87億ポイント。藤原さんは「早ければ冬前に終了する可能性もあるのでは」と推測しており、予断を許さない状況だ。省エネ住宅ポイントについてのリーフレットや相談窓口は全国の大手家電量販店にあるほか、各社ショールームでも相談を受け付けている。日々の光熱費が節約でき、暮らしも便利・快適になるエコリフォームをお得に実現できる、絶好のこのチャンス。逃さずぜひ活用したい。

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(取材・文/仲川僚子)