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 “北斗晶さんのニュースを見て、他人事とは思えなくなった”と、いま乳がん検診の希望者が医療機関に殺到しているという。

 あなたにとっての理想的な受け方は? 早期発見・治療のために、安心できる乳がん検診の受け方を紹介しよう。

・対策型検診と任意型検診の違いを知っておく

 乳がん検診の国のガイドラインは「40歳以上から2年に1回のマンモグラフィー検査と医師による視触診」。無料クーポンを配布する自治体もある。

 これは「対策型検診」と言い、乳がんで死亡する人数を減らすためにどんな検査をどの頻度で行うのが効果的かという科学的根拠と、費用対効果を考慮した国全体の施策。

 しかし、乳がんのリスクは個人個人で違うため、理想的には年に1回、マンモグラフィーや超音波検査を組み合わせた検診を受けたいもの。こうした受け方を「任意型検診」と言い、個人が乳がんから身を守るために行う検査だ。

・検診をより安心して受けられる施設の見つけ方は?

 検診しても見落としがあっては元も子もない。そこで、会社や自治体の検診などで医療機関を選ぶ際、目安にしたいのが、「日本乳がん検診精度管理中央機構」認定の施設であること。

 「検診マンモグラフィ読影認定医師」「検診マンモグラフィ撮影認定放射線技師」「マンモグラフィ検診画像認定施設」の3つがそろい、検査環境が整っている。医療機関選びは「乳房健康研究会」のホームページ内、「検査設備の整った施設」のリストを参考に。

・遺伝性の乳がんが心配な場合の検診の受け方は?

 女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、両乳腺の切除手術をしたことで注目された「遺伝性乳がん」。正常な細胞が、がん化するのを抑える「がん抑制遺伝子」が欠如したり変異するがんで、両親のどちらかから遺伝する。

 「がん抑制遺伝子」に異常がある女性の7~8割が乳がんになると言われ、若い年齢で発症しやすく卵巣がんを併発しやすいのが特徴。家族に乳がんや卵巣がん、男性乳がんなどがある人は、20代からの検診をおすすめする。