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 気象庁が発表した12月~来年2月までの“3か月予報”によると、エルニーニョ現象が影響して6年ぶりの暖冬になるという。

 冬なのに温暖な日が続いてくれて、寒さに震えなくてすむなら、うれしい限りと思うかもしれない。しかし、そこには意外な落とし穴が。

「暖冬は寒さが厳しくないと思われがちですが、そんなことはありません。平年に比べて、突出して気温の高い日が時々あるというだけ。それ以外は通常の冬と大差がなく、ましてや暖かい日中と寒い夜の寒暖差が激しくなる。そのため、実は暖冬のほうが体調を崩しやすいのです」

 こう語るのは、冷え症など、女性特有の悩み改善にくわしく健康科学アドバイザーとして活動する福田千晶医師。さらにこの冬は、エルニーニョ現象により多量の雨が降る恐れも。それにつれて体感温度が下がる恐れも指摘されている。また暖冬になると、インフルエンザが大流行するというデータも。

「暖かいので、おそらくみなさん、レジャーやお買い物にお出かけしやすいのではないでしょうか。インフルエンザは人を介してうつります。人ごみに出る機会が増す暖冬は、インフルエンザウイルスが例年よりも早い時期に流行し始めるのではないかと懸念されています」(福田医師)

 風邪やインフルエンザが猛威を振るう暖冬。しかし、怖いのはそれだけではない。

「“冬バテ”が厄介です。特に男性よりも女性のほうが陥りやすい。風邪をこじらせたり、冷え症になったり、冬の悩みは冬バテに起因していることが少なくない。放っておくと、大病にもつながりかねません」(福田医師)

 冬バテとは、身体がだるい、やる気が出ない、疲れやすいといった“夏バテ”と似た症状を指す。両者の違いについて福田医師はこう語る。

「夏バテは、外の気温と冷房が入っている屋内の温度差によって、交感神経と副交感神経がどちらも弱ってしまい、心身ともに踏ん張る力がなくなってしまっている状態。

 逆に冬バテは、踏ん張りすぎて力をゆるめることができなくなってしまった状態です。身体はとても疲れているのに、休息をとってもまったく休まらなかったりします」(福田医師)