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 昨年、横浜市で起きた大規模な“欠陥マンション事件”。全国に衝撃が走った。そこで不具合を総確認して、修理不要の状況か、即修理をすべきかをジャッジするポイントを住宅調査の専門家・長井良至さん(住宅調査の専門会社「カノム」代表)に伝授してもらった。

【建物周囲の地盤沈下】

「地盤が予想以上にやわらかかったなど、新築時は建物周囲が沈下するのは珍しくありません」

 埋め立てした土地の場合、建ててすぐ、建物周辺の沈下(2~3cmほど)はよくある現象だそう。短期保証で無償対応してもらえる可能性も。新築1年以降の沈下は普通ではあまりありえないこと。地盤に高低差ができ、建物に影響する可能性もあるので専門家に相談。

【外壁・基礎etcのひび】

 コンクリートには収縮特性があり、髪の毛程度(0.2mm未満)の細いひびが数か所程度なら、基礎部分でも気にしなくてよい。特定の場所のみ無数のひびがあるのは、その場所の施工に不備がある可能性が高い。

 また、斜めに入った幅広のひびが反対側にも同様に入っている場合は、構造に欠陥があり、倒壊の危険も。

「外壁のコンクリートや木造のモルタルのひびは、雨漏りにもつながり、家の耐久性を下げます。早めの対策を心がけてください」

【戸が開閉しづらい】

 部材の劣化、汚れなどで多少、開閉がスムーズでないのはしかたなし。調整しても直らず生活に支障が出るレベルなら修理を。

「第一に考えられるのは、最初の取り付けが悪いということ。サッシなど、その部分のみをはずしてはめ直す修理で問題は解決します。厄介なのは床の沈下、さらには家自体が傾くことによる“ズレ”が要因の場合。大規模な修繕が必要と考えたほうがよいでしょう」

★建物の傾きをCHECKする方法

①5円玉を糸につけて垂らす。垂らした糸と壁が平行になるか確かめる。

②ビー玉などを床に置き、動かなければ大丈夫。同一方向へ途中で止まらず転がったら傾いている証拠。