練習する羽生

羽生結弦が今季に演技するフリーの新プログラムの一部が明かされたのが2014年の8月。曲はミュージカル『オペラ座の怪人』で、いつかはこの曲でやってみたかったと語っていた。しかし、10月10日からの『フィンランディア杯』への欠場が発表されたのだった。

「練習中に腰痛が出て出場をとりやめたということです。ただ、今回の大会はグランプリシリーズではないので、2014年末に行われるグランプリファイナルへの影響はありません」(スポーツ紙記者)

小中学生時代に羽生選手のコーチだった都筑章一郎さんは、彼が以前にも腰を痛めたことがあると本誌に明かす。

「彼とはメールで連絡して、ケガの状況を聞きました。彼はジュニア時代に腰を痛めてしまったことがあり、それが癖になっているみたいなんです。本人も“とりあえず今は、11月の中国杯で最高のパフォーマンスができるように調整していきます”と返信がありました」

羽生は、病院で検査を受けると、『筋筋膜性腰痛症』と診断された。聞き慣れない病名だが、これからの競技に差し支えるようなことはないのだろうか。『東京都済生会中央病院』の整形外科医である岡田英次朗医師によると、珍しい病気ではないという。

「腰痛の原因が、明らかな外傷や腰椎椎間板ヘルニアなどでない場合に、『筋筋膜性腰痛症』と診断されます。いわゆる“ギックリ腰”と言われる病気です。腰椎に対して急激に負荷がかかったり、普段の生活の中で悪い姿勢などを続けていた場合に、腰の筋肉や筋膜に炎症が起きることが原因です。特にスポーツ選手に多い病気というわけではないです。スポーツ選手には、分離症や椎間板ヘルニアで苦しむ人が多くいますが、ヘルニアなどが完全に否定されたならば、それほど心配する必要はありません」