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 “青文字系”と呼ばれる雑誌のモデルを務め、若い女性からカリスマ的な人気を集めている田中里奈。彼女は’11 年より2年間、アクセブランド『D』のプロデューサーを務めたのだが、そこでは横領事件が起きていた。

 もともと田中がプロデュースを務める『D』の社員だったT氏。’13 年に独立して『L』というブランドを立ち上げたが、『D』在籍中に多額の横領が発覚した。

 現在、モデルをしている妻の平山美香が立ち上げたブランドを手伝うT氏。『D』社長であるA氏のもとには、T氏から弁護士を通じて和解したいという提案があったが、拒否して警察に相談している。

「平山さんはもともとA社長と親しく、T氏も含めて何度か食事をしているうちに彼が『D』を手伝うことになったそうです。ふたりは少し前に入籍して今年6月にハワイで結婚式を挙げる予定なので、今は極力、問題を大きくしたくないでしょう。平山さんのSNSには、おノロケ感たっぷりに新婚生活が書かれていますよ」(田中の知人)

 A社長に話を聞くため、彼が会社から出てきたところを直撃した。最初は驚いていたが、事実を指摘すると神妙な面持ちで口を開いた。

「彼らは同時期に辞めたスタッフたちと一緒に商売を始めました。やっとブランドが軌道に乗ってきたところだったので、奈落の底に突き落とされた気分でしたね。貯金を切り崩して何とか会社を存続させましたが、1年ほどは抜け殻のような状態で。彼らには“人の人生を変えてしまうことをしたんだ”という罪の意識がまったくないので、気づいてほしいと思って、刑事告訴を決断したんです。言いたいことはほかにもたくさんありますが、今は前だけを向いていこうと思っています」

 3月16日、田中が自宅から出てきたところで話を聞いた。横領について聞くと、うつむきながら、か細い声で答える。

「びっくりしています。何も知らないです……」

 退社の理由は何だったのか。

「A社長とやり方が違ったんです。もっと長く続くブランドを作りたかったというのが私の中で大きくて、そんな中でT氏に“新しくやらないか?”と言われて信用できると思ったので、いまのブランドを一緒に始めました」

 ビジネスパートナーだったT氏を解雇したことについても聞いた。

「お客さんのことを考え、辞めてもらうって決断をしました。だから今は何も関わりはないです。あっちはあっちで解決するという話だったので……」

 同じ日、T氏にも会うことができたのだが、

「今回の件は、僕の個人的な判断でやったことであって、田中さんは関係がありません。この先のことは弁護士さんに依頼しているので、法的な手段も踏まえて、お互いの落としどころを見つけたいと思っています」

 と事実上、犯行を認めた。それでもT氏は、あくまで和解に持ち込むつもりのようだ。

 田中の所属事務所にも問い合わせてみたが、

「本人も事務所も寝耳に水の出来事だったので、非常に困惑しております」

 もし裁判になって有罪になると、どんな刑が科せられるのか。『弁護士法人・響』の安田知央弁護士に聞いた。

「今回のケースは“業務上横領罪”に該当する可能性があると思います。その場合、10年以下の懲役が科せられます。初犯であれば執行猶予になることも少なくはないのですが、一発で実刑1年以上というケースもあります」