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 森山直太朗や娘婿・小木博明の“母”として、メディアでも取り上げられることが多くなった森山良子。デビューから48年、これまで65枚のシングルと62枚のアルバムをリリースしている。そんな彼女、実はフォークシンガーになりたかったわけではないという。

「フォークは私にとって部活のようなものだったので、プロとしてデビューするときには違ったタイプの音楽をやりたいと思っていました。でも、当時はフォークを歌う女性シンガーが少なかったこともあってか“フォークシンガー・森山良子”という名前が世間に浸透してしまったのです。どこに行ってもそう見られることには抵抗がありました」

 そんな感情に変化が現れたのは、少し前に行った番組収録のときだった。

「『天使のハンマー』という曲を即興で歌ったら、スタッフが“なんで打ち合わせなしで、あんなにすぐ歌えるんですか? カッコいいですね”って驚かれて。私たちの世代はみんな歌えるから当たり前のことだったのですが、今の人たちからすると、そうでもないんだなって。“カッコいい”と教えられたので“じゃあ、もう1度やってみようかな”ということになりました」

 63枚目の新アルバム『フォークソングの時代』では、生まれて初めてフォークソングと素直に向き合った。青春時代に聴いていた曲は思い入れも強く、選曲も大変だったそう。

「歌える曲っていうのはすごく限られてくるんです。高田渡さんや岡林信康さん、吉田拓郎さんなどはフォークソングのカテゴリーに欠かせない人たちですが、当時の歌はすごく個人的なメッセージ色が強いので、曲自体は大好きでも、私が歌うとどうも似合わないような気がしたのです。選ぶのには苦労しました」

 4月11日からはツアーもスタートするが、ライブの数は年間100本近くになることも。“生”にこだわる理由を聞いてみた。

「自分の仕事は“ライブ”だと思っているんです。普通ツアーというと、数か月のうちにまとめて行うと思うんですが、私は今でも年間を通して80本、昔は130本ステージがありました。“常にコンサートをしている”というのが、体内でのいちばん都合のいいサイクルになっています。間が空くと体力も落ちてしまいますから。だから、お正月休みですら苦痛に感じてしまうんです。“こんなに休んでしまってちゃんと戻せるかな”って不安になってしまう。でも、常に“ライブモード”にしておけばテンションを落とさなくてすむので、1週間に1回でもコンスタントに続けているほうがいいんです」

 休まないことが大事と語る森山だが、ギッシリ詰まったスケジュールが続けば、それはそれでストレスがたまってしまうことも。では、どのように解消しているのか。

「別荘に行ってリフレッシュするのですが、最近そこで空手を始めました。ネパールからいらしたという師範の先生に教えていただいています。今年も元日から稽古をしてもらいましたよ」

 外国人に空手を習っているとはまたオドロキ。実際にやってみた感想は?

「まだ数回ですからたいしたことは言えませんが、重心の置き方が、歌うときの腹筋の使い方と似ていたりするんです。あとはサンドバッグを叩いていると、すごくストレス解消になります。これから年を重ねていくときに、腹筋や背筋の筋肉を鍛えるという意味でも続けていきたいですね」