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 森山直太朗や娘婿・小木博明の“母”として、メディアでも取り上げられることが多くなった森山良子。デビューから48年、これまで65枚のシングルと62枚のアルバムをリリースしている。

 実の息子である直太朗も“アラフォー”と呼ばれる年齢に。いまだ独身を貫いているが、母親としては?

「早く結婚してほしいとガンガン言っています。いろいろな人たちからお話をいただくので、去年もお見合いの写真を見せたんですけど、“いや、俺は自信がない”とか“結婚なんかできる人間じゃない”とか言われちゃうんです。でも“彼女はいるの?”と聞くと“いない”って言うし……。1月に私の誕生日があったのですが、直太朗から《おめでとう! 今年1年をどのように迎えようと思っている?》とメールが来たんです。だから《あなたが何とかいい人と出会ってゴールインすることを念頭に置きながら今年頑張ります》と返信しました。もちろん、何の返事も来ませんでしたけどね(笑い)」

 彼女だからこそわかる、さまざまな思いもあるようだ。

「自分の人生だから好きなようにすればいいんですけど……、やっぱりね。私自身は失敗しましたけど、結婚して髪を振り乱しながら子どもを育てて。ツラいこともあったけど、そのぶん喜びもいっぱいあるし、教えられることもあった。やがて子どもが大きくなって、孫が生まれてという一生のあり方を本当にうれしくありがたいと思っているので、そういう経験をしてほしいという親心があります」

 森山家にはもう1人の“息子”がいる。娘・奈歩と結婚した、お笑いコンビ・おぎやはぎの小木博明だ。芸人とミュージシャンという、まったくジャンルの違うふたりだが、普段はどんな会話をするのだろう。

「お互いに職業を意識したことは全然ないんです。だってテレビでも面白いこと言ってないじゃない(笑い)。うちにいるほうが愉快っていうか、ひとつひとつのモノの見方が変わっているなと思います。きっと天然なんでしょうね。小木のお父さんもまたすごく天然な方で、ツボに入っちゃうようなことをよく言うんですよ」

 印象に残っているエピソードについて聞くと、

「この前もね“コーヒーと紅茶どっちにする?”って聞いたら“コーヒーいただきます”っていうので淹れてあげたんですが、ちょっと変なカップであまりおいしくなさそうに見えちゃったの。“ごめん、あまりおいしそうに見えないけど、中身はおいしいから飲んで”って言ったら“本当だ、マズそう”とか平気で言うんですよ」

 家族でディズニーランドに行ったときも、思わずクスッと笑ってしまうようなこんな出来事が。

「おにぎりでも握っていこうかと思って“何か持っていくものある?”って聞いたら“良子さんは現金だけ持ってきてくださ~い”とか。何でもアリなんですよね。お互いまったく気を遣うようなことがないから、すごく楽ですよ。平気で人を貶めるようなことを言うんだけど、それがすごく的を射ているもんだから、みんなつい笑っちゃう。彼が来たことによって、家庭内が丸くなりましたから」

 来年はデビュー50年目を迎える。“きたるべきアニバーサリーイヤー”に向けては、どんな日々を送っていきたいのだろうか。

「精力的に、エネルギッシュな生活を送りたいですね。私のコンサートに来てくれるお客さまから“身体の具合が悪くて精神的に落ち込んでいたけど、歌を聴いたら明日からまた頑張れそう”って言ってもらえたことがあって、本当にうれしかったんです」

 常にパワフルなステージを見せることで、ファンにパワーを与えたいという。

「私たちの世代が、なるべくギリギリまで元気に自活していけるお手伝いをしたいです。精神が元気であれば、肉体もついてきてくれますから。“無理やりにでも元気を保って、明るい方向へ向いていく”ということを自分に課すくらいの思いで長生きしてほしい。若い方たちになるべく面倒をかけないで“自立して老年の人生を送っていくこと”が、すごく大事なんじゃないかなって」