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 喉頭がん手術のため声帯を摘出、声を失ったつんく♂。しかし、彼はすでに『食道発声法』により”声”をとり戻す訓練を開始するなど、前を向いているという。

 声帯を失った歌手として、そして3児のために生きる父親として。特に3歳の次女は、つんく♂との筆談でのやりとりのおかげで、ひらがなを読めるようになったそうだ。

 子どもたちとコミュニケーションをとるため、そして「また歌いたい!」という夢を実現するために、彼が出会ったのは『食道発声法』だった。

 自身も26年前、53歳のときに喉頭がんで声帯を摘出、訓練により“声”をとり戻した『日本喉摘者団体連合会』の新美典子会長が解説する。

「食道発声をするためには、食道に飲み込むように空気を入れて逆流させます。いわゆるゲップですね。“グェ”とゲップが出た音を原音というんですが、原音を出すことができたら“ア”や“オ”と1音を出します。それから“アメ”や“オチャ”など2音を出せるように訓練します。それから3音、“アイウエオ”と5音を出せるようにしていきます」

 そう流暢に話す新美会長は、言われなければ声帯摘出者とはわからないほどだ。

「うまくなると健常者に近い話し方ができるようになるんです。私は習得に1年くらいかかりましたが。個人差はありますが、上手にコツをつかめば半年くらいあればもう、ベラベラしゃべる方もいらっしゃいます。一般的に、粘膜が柔らかく振動もしやすいので、若い方のほうが習得は早いですね」(新美会長)

 比較的、高齢者に多いといわれる喉頭がん。40代のつんく♂であれば発声法をマスターするのも早くなりそうだ。

 そして、彼にとっては願ってもない朗報も。

「歌も歌えるようになると思います。ただ、以前歌っていたときとまったく同じではないですし、声の質は声帯で歌っていたときとは変わります。でも、訓練でイントネーションや抑揚をつけることもできますし、上手な方でしたら1オクターブ以上出ると思います。みなさん歌うのが好きですし、カラオケで練習をされている方も多いんですよ」(新美会長)

 かつての『シャ乱Q』ボーカルとはいかずとも、また歌が歌えるようになるのである。もしかしたら、小室とも歌手“再出発”の道を模索していたのかもしれない。

「今年は『globe』が20周年なんです。小室さんは『新globe』プロジェクトを立ち上げて、新しくボーカルとラッパーの男女2人を募集しています。でも、本音のところはKEIKOさんの歌手復帰を望んでいるでしょう」(レコード会社関係者)

 『globe』ボーカルで小室の妻でもあるKEIKO。’11 年10月にくも膜下出血で倒れて以降はリハビリ生活が続き、歌手復帰は叶っていない。が、小室のツイッターで、2月に夫婦でカラオケに行ったことが明かされた。彼女も少しずつ回復に向かってはいるようだ。

「『シャ乱Q』と『globe』、’90 年代の音楽界をリードした2組が、再び歌手として同じステージに立つことは奇跡に近いこと。つんく♂さんとKEIKOさん、簡単なことではありませんが、年内にもそんなステージを実現させるかも」(前出・レコード会社関係者)