ooyama
 長年『ドラえもん』の声優を担当した大山のぶ代。「2分前のことも忘れる」「いまニュースになっていることもわからない」といった、ショッキングな現状が明かされて、芸能界に衝撃が走った。

「ほんとに、今しゃべったことを覚えていないことが多くなって、認知症の特徴のひとつなんですが、怒りっぽく、感情の起伏も激しく、表情があまり変わらないし、お風呂にも入りたがらないんです」

 大山のぶ代の夫で、俳優の砂川啓介はこう語る。今月13日、砂川はラジオ番組に出演し、大山が現在、認知症を患っていることを明かした。さらに15日、都内のホテルで取材に応じ、その詳細を語ってくれた。

「認知症と診断されたのは2年くらい前です。それまでもそれらしい症状は出ていたんですが、脳梗塞の後遺症の症状とよく似ているので、僕はずっと後遺症だと思っていました。それに認知症だと信じたくない、認めたくないという気持ちがどこかにあったんでしょうね」

 国民的アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)の声を26年間にわたって担当していた大山は、’05 年に『ドラえもん』を降板することに。実は大山がまだ10代のときに、母親が子宮がんで40代前半という若さで亡くなっている。

 そして自分自身も’01 年に直腸がんを患い、手術を受けている。そのときは術後の経過もよく、がんの再発も転移も認められないまま仕事に完全復帰しているが、病気に対する不安は常に彼女の頭から離れることはなかったのだろう。

 『ドラえもん』の未来も自分の身体のことも真剣に考え、年に2回の人間ドックも欠かさなかった大山だが、再びやってきた病魔から逃れることができなかった。

 『ドラえもん』を降板して3年後の’08 年、今度は脳梗塞で倒れることに。多少の言語障害は残っても、大きな後遺症もなく、日常生活も普通にでき、仕事に復帰もできたように思えたのだったが……。

 いくつもの困難を乗り越えてきた夫妻には子どもがいない。結婚直後にできた子どもは死産。その7年後に再び妊娠したが、その子も生後3か月で亡くなってしまっている。