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 高須クリニック・高須克弥先生の連載がスタート。今回は特別編で、最近話題の「激やせアイドル、激太りアイドル」について伺いました。

――モーニング娘。’15の鈴木香音が、2か月で12kg、A.B.C-Z橋本良亮が1か月半で15kgやせるなど、激やせアイドルが話題になっています。

「急激にダイエットをすると、汚くなる人が多いよね。俳優だと役作りでダイエットする場合もあるから仕方ないけど、でも体には良くないよ。昔は映画『楢山節考』で田中絹代さんや坂本スミ子さんが老婆を演じるために歯を抜いたりしていたけど、やっぱりそういう人は長生きできないもの。でも作品は残るから、役者冥利には尽きるんじゃない?」

――役作り以外で芸能人が過激なダイエットをするのはどうですか?

「若いうちならいいんじゃない? 17歳までなら、急激な増減があっても皮膚が回復するから。でも、25歳を過ぎるとたるんだ皮膚は回復しない。17歳がピークだから、18歳以降は、ダイエットするときは用心しないといけないよ」

――1か月半で15kgのダイエットをした橋本くんは22歳ですね。

「ヤバいね。40歳でやるよりはリスクは低いけど、おススメはしない。すぐには出ないかもしれないけど、寿命も縮まるし、皮膚もたるみやすくなる」

――橋本クンの場合は筋トレやマラソンなど運動中心のダイエットですけど、それもダメなのでしょうか?

「運動でやせても一緒。過激なダイエットは、体に負担がかかるから。車と一緒だよ。良い車でも、急ブレーキかけまくっていたら、タイヤはすり減るし、ボディも傷みやすくなるでしょ」

――SMAPの香取慎吾くんが『ライザップ』のイメージキャラクターになって、こちらも急激なダイエットが話題です。

「よくないに決まっているでしょ。あれは一時的な見世物みたいなもの。でも、役作りとかでやるならいいんじゃない? ブライダルエステと一緒。その時が美しければいいっていう」

――『ライザップ』はリバウンドする人が多いという噂ですが、やはりそれも無理しているからですかね。

「そりゃそうでしょ。ボクサーの減量と一緒だから、トレーナーがついていないとリバウンドするよ」

――では理想的なやせ方は?

「病気の人が治療する以外、体が苦痛を感じることは、ダイエットに限らずしちゃダメ。病気でやせなきゃいけない、役作りのため……みたいな人以外で、ライザップのような過激なダイエットをする人はどうかと思うよ。ただダイエットは、趣味みたいなもんだからね。周りがいくら止めてもやる人は自己満足のためにやるだろうから、ボクは止めはしないけど」

――逆に激太りで「劣化した」と叩かれるアイドルも少なくありません。

「激太りをする人って、ストレスなどで過食になっているケースも多いから、劣化うんぬんの前に心のケアをしたほうがいいんじゃない? ただ過食症より拒食症のほうがリスクは高いよ。カーペンターズ(カレン・カーペンター)みたいに拒食症で死んだ芸能人も多いもんね」

――院長は以前から「小太りのほうが長生きする」と提唱していますもんね。

「パリコレだってやせすぎモデル禁止令が出たり、時代はぽっちゃりに流れがきているからね。僕、早く言いすぎる傾向があるの(笑)。やせているほど美しいという考えは時代遅れ。巨乳がいいって言っているのと一緒で、その考えは一昔前の価値観だよ」

――激太りも心の病気でなければ問題ない?

「日本人の激太りって、たかが知れているでしょ? だから全く問題ないよ。特に成長期なんて食べれば横より上に伸びるから。僕は身長マイナス100ぐらいが体調的にはベストだと思っている。でも今の女性たちは、そこから×0.8とかの体重を求めるから、身長マイナス100だと激太り扱いだもんね。会社と一緒。ギリギリでやっているところは、1つ失敗したら倒産しちゃうでしょ。人間もギリギリで生きていると、少し病気になっただけで倒れる。だから、少し食べなくても問題ぐらいの皮下脂肪があったほうが人間的には健康的で良いと思うよ」

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