【好評連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】その経済効果から“ネコノミクス”という言葉まで誕生するほど、近年、猫ブームに湧く日本。数字がとれるとあって、猫たちはメディアでも連日引っ張りだこだ。そんな猫ブームを前にして、フィフィは既視感を覚えるともに、ある違和感を感じたという。

“なめ猫ブーム”覚えていますか?

fifineko20160225
ネコのネタでアクセス数も増える!?

 約2兆3000億円にものぼる経済効果、飼育数は987万匹、猫を起用したCMやドラマのヒット、猫カフェ、猫にまつわる本の専門店……と、最近の猫ブームにはすごいものがあります。犬派だった息子も『人生ニャンとかなる』という本を読んで、猫派になりました。あと、週女さんとは別の女性週刊誌からは『ねこ自身』なんていうムックも発売されましたね。

 とにかく数字がとれるとあって、猫タレントの需要もギャラも高騰しています。

 しかしこうした猫ブームのなか、まるで立っているかのように見える服を着た猫が登場するCMを見たとき、私はどこか既視感を覚えてしまいました。記憶にある方も多いでしょう、80年代、短期間ながら一大ブームを巻き起こした“なめ猫”です。

 学生服を着て、ヤンキーに扮した猫がポーズを決める姿が一世を風靡した、なめ猫。グッズなども多数販売されましたよね。私自身もなめ猫の運転免許証を集めたものです。そして、このブームが巻き起こったとき、「猫をどうやって立たせたのか論争」が起きました。

 実際には、猫を立たせるのではなく、立っているかのように見える服を着せて撮影していたことが後に明らかになりましたが、服を着せ、猫を無理やり立たせているのならば、これは動物虐待に当たります。

 いくら立たせていないのであっても、長時間のCM撮影は人間でもストレスが溜まるもの。まして気ままな猫ならなおさらです。当時に比べ、動物の権利が主張され、扱い方をめぐる法律も改正が進んできている現在においても、依然として80年代を彷彿とさせる猫の扱い方をしている点に違和感を覚えたわけです。

日本では、動物愛護とエゴとの線引きが曖昧

 可愛いから、数字がとれるから、みんな喜んでくれるから、これらはすべて人間のエゴです。日本では、動物に対する愛護とエゴの線引きが曖昧なように思えます。これを言い出せば動物と共生すること自体どうなのか? という議論になってしまいますが、せめて動物本来の性質を尊重した共生の方法はあると思います。

 たとえば最近のひとつの特徴として、映画『パディントン』のように、CGを使ってリアルな熊を再現したものがあります。本物の動物を無理やり立たせたり、長時間の撮影に付き合わせたりすることなく、CGを使って動物の可愛さを表現することもできるんです。いくら猫ブームとはいえ、人間のエゴに付き合わせている状況だということを私たちは自覚すべきなんだと思います。

 ちなみに、去る2月22日の猫の日は、私の40回目の誕生日でもありました。私も猫に少なからずご縁がありそう、ということで、空前絶後の猫ブームにあやかって猫の話題を語ってみました(笑い)。

《構成・文/岸沙織》