若翔
 イケメン力士の遠藤、怪物・逸ノ城、13年ぶりの3人横綱など、一時期の冬の時代を乗り越えて、またまた活気づいてきた大相撲。

 しかし日本人力士が最後に優勝したのは、なんと2006年の栃東まで遡らなければいけないほど。日本人力士が弱い理由について、タレント活動も行うプロレスラーの若翔洋さんはこう分析する。

「相撲人口が減っているにもかかわらず、部屋数は多い。部屋によっては在籍する力士が少ないため、満足のいく稽古ができないところもある。しかも稽古の質もソフトになりつつある。僕は先代・若乃花の弟子でしたから、妥協をしない厳しい稽古のなかで育ってきた。弟子に求める強さに関しても土俵の鬼でしたよ(笑い)」

 当時の二子山部屋の強さの秘密は、そういう環境下にあったからこそと語る。

「だからこそ若貴兄弟を筆頭に強さと個性を持つ関取が大勢誕生したと思います。特に貴乃花(現・貴乃花親方)は、貴花田時代から自分を追い込むストイックさやプロ意識がすさまじかった。そういう姿を目にすることで、僕らもより緊張感を持って稽古に取り組めた。相撲は心・技・体が必要ですから、“心”の部分を成長させる環境やサポートが必要だと思いますね」