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 2話目にして、15%超えの作品がゼロになってしまった春ドラマ。視聴率が苦戦しているのは、キャスティング先行なのが原因だとコラムニストの今井舞さんは分析する。

「今期はとにかく“主演ありき”のドラマが軒並み大失敗していますね。ストーカーに狙われる一家を描く『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)は、原作では父親の寺尾聰が主人公なんですけど、ドラマは相葉雅紀ありきで始まっているので、原作で脇役の大学生の長男を主人公にして、相葉のキャラと年齡に合わせて社会人で気弱という設定に変更、原作にない記者役で沢尻エリカを出して話をふくらませたので、原作にある部分と相葉のシーンの落差が激しいんですよ。どうしても彼を主役にしたいなら、相葉を生かすようなドラマを作ればいいのに、それを考えようともしてなくて、“原作が人気の池井戸作品なら視聴者は見るだろ”と安易に思われていることに腹立ちますわ。そして月9初のサスペンスとか言っていますけど、月9って名称にこだわる意味がだいぶ前からないってことにも気づいてないんですよね」

 ほかに主演ありきで失敗中のドラマは、『アルジャーノンに花束を』(TBS系)、『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』(TBS系)、『戦う!書店ガール』(フジ系)、『医師たちの恋愛事情』(フジ系)。

「『アルジャーノン』をドラマ化する企画が出て、主役を誰にするか会議をしたら、ホワイトボード45枚くらい書かないと山下智久の名前は出ない。それくらい天才的なレベルの演技力が必要になる役ですよ。ま、百歩譲って山Pでもいいとしましょう……知的障がいがあって寮に住んでいる役で、自分のことは自分でやっているはずなのに髪はサラッサラ、しかも今風カットっておかしくないですか? さらにはメジャーな映画そっくりのシーンが次々と出てくるあざとい演出だな~と思ったら、脚本監修に野島伸司。もうね、こういう芸能事務所・一部スタッフ・広告代理店・テレビ局の中だけで完結して、視聴者のことを考えないドラマを金輪際、作るなと言いたいですわ」