夏と言えば「怖い話」。妖怪やUMA、UFO、都市伝説などに幅広く精通するオカルト研究家の山口敏太郎さんに”業界”の最新ニュースを聞いた。

■小さいおっさん

20150811 okaruto (2)

 これは薄暗い洞窟の中にある祠を撮影した1枚なのだが、祠の上に白い人のような物体が立っているのが確認できる。注連縄にピントが合ってしまい不鮮明ではあるが、頭や腕、それに足らしきものも伸びているのが確認できる。まるで注連縄の上を綱渡りしているようだ。私はこれを現代妖怪『小さいおっさん』の一種ではないかと見ている。

 撮影された場所は"土蜘蛛の洞窟"と呼ばれる、当時の朝廷に反抗していた地域の豪族たちが隠れ住んでいた場所でもある。朝廷に敗れた豪族たちの魂が小さいおっさんとなって写り込んだのかもしれない。

■雷獣(らいじゅう)

20150811 okaruto (1)

 雷獣は中世から近代にかけて日本全国で目撃された妖怪で、荒天時に雲に乗って雷とともに空を飛び回るが、まれに雷とともに墜落して姿を現すという。日本各地に雷獣の伝説の残る地や、雷獣のミイラとされるものを保管している寺院などが存在するため、雷獣は当時目撃された何らかの生物であったと考えられる。

 私、山口の所有する雷獣のミイラもその1つ。ただし、このミイラの正体はイタチではないかと推測している。昔の人は、説明のつかない科学現象を妖怪の仕業だとして解釈していたのである。

■宇宙人のミイラ

20150811 okaruto (12)

 私がある人物より入手した謎のミイラ。通称"宇宙人のミイラ"と呼ばれるものが山口主催の妖怪博物館内に存在する。箱に『半石化木乃伊』と記されている以外に詳細な情報はなく、前の持ち主も由来は知らないという。全長は約15センチほど。身体を折りたたんだような姿勢をとっており、石化というだけあって全体的に黒ずみ、硬質化している。

 骸骨とミイラの中間ともいうべき状態だ。このミイラの正体については、展示後も不明のままである。ただ、貧弱な身体つきに比べて不釣り合いに大きな頭部から、宇宙人のミイラではないかと推測される。

■心霊写真 写り込んだ女の生き霊

20150811 okaruto (6)

 これは今から4〜5年前に撮影された、深夜の電車内を写した1枚なのだが、写真の右下部分にご注目いただきたい。1人の女性と思わしき人間の顔がボンヤリと写っている。女性の顔には生気はなく、うつろな目をして座っている。

 撮影者である女性が、1つだけ長さの違うつり革をおもしろがってブログに載せたところ、コメント欄に「ガラスに不気味な顔が映っている」との書き込みがあり、彼女もようやく不気味な顔に気づいたのだという。窓ガラスの女性の顔は非常にはっきりと写り込んでいるため、「女性の生き霊ではないか?」と噂されている。

 一方で、超常現象とかって”科学”で説明できたりするんだろうか。答えてくれた人は、科学ライターの久我羅内さん。

■金縛りは”睡眠マヒ”

 金縛りにあうおもな原因は、“睡眠マヒ”です。睡眠マヒとは浅い眠りと深い眠りの周期の乱れによって起こるもので、意識だけがハッキリしている状態のことです。通常は深い眠りから浅い眠り、深い眠り……と続きますが、まれにその逆になることも。

 浅い眠りの状態では筋肉が弛緩しているので、身体は動きません。しかし、脳は活発に活動しています。そのときに霊的な何かを感じるケースもよく聞きますが、私は、その人の想像力も関係があると思っています。

■霊感は”幻覚悩”の作用?

 脳に“ゴッドスポット”を持っているかの違いです。それは左側頭葉にあると言われているのですが、別名で“幻覚脳”と言われるほど幻覚や神秘体験に関係している部位。よく心霊体験をする人は、おそらくゴッドスポットの持ち主で、これは生まれ持っているもののため身につけることは不可能。

 無自覚でも、何かの拍子に覚醒する場合も。カナダ・ローレンシアン大学のマイケル・パーシンガー博士によると、側頭葉の活動が不安定な人ほど心霊体験をしやすい傾向があると実験結果が出ています。

■心霊写真はほとんどが目の錯覚

 その写真の撮影条件とまったく同じ条件で撮らないと完全には科学的な説明はできませんが、ほとんどが目の錯覚で起こる現象です。例えば、いるはずのない場所に人の顔が写っている写真。これは“輪郭誘導現象”によるもので、人間は逆三角形のものを見るとそれを顔だと認識してしまうのです。

 ほかに身体の一部が透けてしまう写真は、光が十分でない場所で撮影したりカメラの露光時間が長くなると起こる場合が多い。さらに背景が明るければ明るいほど、身体が透過しやすいと言えます。

■ドッペルゲンガーは脳腫瘍が原因で見える場合も

 ドッペルゲンガーとは目の前にもう1人の自分が現れる現象のこと。ドッペルゲンガーを見ると死ぬ、なんて言い伝えもありますがそれはあながち間違いではなく、実は脳腫瘍が原因で見える場合があるのです。

 また、片頭痛持ちの人は、見てしまう可能性が高いと考えられます。ほかにも長年研究を続けているスイス・チューリヒ大学のピーター・ブルッガー博士によれば、ドッペルゲンガーと密接な関係があるのが“幻肢”。手足を切断した人が、ないはずの手足をあるように感じる現象のことです。