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 セクハラ、モラハラ、パワハラ……。さまざまなハラスメントが存在する日本企業が舞台のドラマ『エイジハラスメント』(テレビ朝日系・木曜夜9時~)。原作&脚本を担当するのは、10年ぶりに連続ドラマを手がける内館牧子。

「“エイハラ”ことエイジハラスメントは、年齢差別のこと。もとは中高年に向けたものでしたが、転じて若い世代の年齢差別もあてはまります」(内山聖子ゼネラルプロデューサー)

 武井演じるヒロインは、理不尽なハラスメントの我慢が限界に達すると、父の口癖でもあるこんなセリフをつぶやく。“テメェ、五寸釘ぶちこむぞ”。

 そして、上司でも他部署の社員でもメッタ斬り。“こんなイタいバカ、見たことがない。ケッ”など、凛とした顔で暴言を吐きまくる。これがなかなか爽快なのだ。毎回、モメごとが起きる物語だが、内山ゼネラルプロデューサーによると、現場の雰囲気は良好。

「とても団結力が強いです。表で罵り合うことが多いぶん、カットの声がかかると、気を遣い合っていますね」

 ドラマでは英美里から“オール・ハラ(スメント)のデパート”と酷評される浅野次長役の吹越満は、実は、こまやかな気配りの人。

「撮影前はみなさんに話しかけています」(内山ゼネラルプロデューサー)

 1話完結で毎回違ったハラスメントが登場するが、ほかにも注目ポイントがいっぱい。キーマンはベテラン一般職の中里桂子(麻生祐未)とか。

「桂子は“ひとり『家政婦は見た』状態”で、なんでも目撃し、どんどんしゃべっちゃうんです。それで広がった噂が災いし、とんでもないことに。ぜひご注目ください」(内山ゼネラルプロデューサー)

 そして見逃せないのは、英美里と直属の上司・大沢百合子課長(稲森いずみ)の間でひそかに起きているエイジハラスメント。2人は繊維二課の保科晶彦課長(小泉孝太郎)をめぐって穏やかならぬ展開を見せる。

「お待たせしましたという感じで、内館牧子ドラマらしい三角関係が楽しめます(笑い)。若い英美里に吸い寄せられる保科、彼を取られる不安と英美里の若さへの嫉妬を感じる百合子。今まで五寸釘で笑っていたけれど、まるで嫁姑ドラマのようなドロドロな様相も呈してきます。最後の最後まで、痛快とドロドロを繰り返しますのでお楽しみに」(内山ゼネラルプロデューサー)

 英美里と同世代はもちろん、どの世代も共感でき、楽しめるような構成になっているのも魅力だ。

「先日、食事しながら“パワハラだ”“それはエイハラでしょ”などと話しているのを耳にしてうれしくなりました。ハラスメントはつらい話ですが、ランチの話題で笑いながら話せれば、ひとりでためこまずにすむと思うんです」(内山ゼネラルプロデューサー)