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 『化物語』『めだかボックス』などのベストセラーがアニメ化されている西尾維新の小説が原作でも話題のドラマ『掟上今日子の備忘録』(日本テレビ系・土曜夜9時~)。

 実写化は難しいといわれていた西尾作品だが、『世界の果てまでイッテQ!』などのバラエティーを数多く手がけた松本京子プロデューサーが昨年10月に発売された原作を読み、“土ドラにピッタリ”と直感。異例のスピードでドラマ化が決定した。

 新垣は日本テレビの連ドラは9年ぶりで、主演は初めて。扮するヒロインは、白髪&メガネがトレードマークの美女探偵。ビジュアルのインパクト大だが、中身はもっとすごい。

 寝ると記憶が1日ごとにリセットされてしまう“忘却探偵”なのだ。守秘義務は絶対厳守できるというメリットはあるが、解決が長引くとイチからやり直しになってしまうため、どんな事件も即日で解決するのが鉄則だ。

 記憶が1日限りの今日子に恋をしてしまうのは、まじめに生きているのに驚くほど運の悪い男、隠館厄介(岡田将生)。

 今日子と厄介は原作どおりだが、探偵を斡旋してくれる『サンドグラス』のオーナー、絆井法郎(及川光博)、也川塗(有岡大貴)、幕間まくる(内田理央)は、ドラマオリジナルのキャラクターだ。

「原作では今日子と厄介はすでに出会っているのですが、本作は出会いから描きたかった。そのために登場させたのが、オリジナルのキャラクターです。この変更を西尾先生も快諾してくださり、それぞれのキャラをお伝えしたら、それに合った名前をつけてくださったんですよ」(松本プロデューサー)

 登場人物が少ないかわりに、それぞれのキャラは、かなり濃いめ。テンポよい掛け合いが楽しめる。

「なかでも今日子と厄介はとてもセリフが多いんです。話数をバラバラに撮っているんですが、新垣さんも岡田さんも完璧にセリフを覚えて現場に入られるので感心しています」(松本プロデューサー)

 スタッフが現場でキュンキュンしているのは、新垣・今日子の小悪魔っぷり。

「例えば、今日子の推理が相手に図星だったというシーンで、台本では“当たった”とあるだけなのに、可愛く指でさしながら“当たった~♪”と言ったり、夜道を歩きながら厄介と話すシーンで、きれいな夜景を見つけると“うわ~あ!”と急に駆け出したり。今日子の可愛らしい表情や行動も大きな見どころですね」(松本プロデューサー)

 ミステリーの謎解きだけでなく、今日子のキャラ、厄介の切ない恋の行方など、魅力満載のこのドラマ。

「いろんな見方ができる作品です。視聴者の方がお好きなアプローチで楽しんでいただければ」(松本プロデューサー)