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 京都市立小に通う小学6年の男児の告白から、衝撃の事態は表面化した。ドラッグの若年層への蔓延は以前から報じられてきたが、まさか小学生が大麻を吸っていたとは。同市教育委員会が、発覚に至るいきさつを説明する。

「10月14日、学校側が男児に喫煙に関して指導をしている過程で“大麻も吸った”という話が出たと報告があり、重大案件とみて、警察にも連絡をしてもらいました」

 入手先は、兄の部屋だったという。慎重に捜査を進めている京都府警少年課は、こう語る。

「“大麻を吸った”などと証言しているものの、この男児が実際に所持しているかは現在認められていません。大量に吸っていたわけではなく、兄に気づかれないようにこそっと“少しだけ吸っていました”などと言っております」

 府警は11日、男児の兄で、通信制の府立高校1年の男子生徒を、大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した。

「兄の部屋から押収した器具などは16点ほどで、グラインダーと呼ばれる大麻をつぶす機器の中に若干量の大麻が入っていました。ほかにはアルミ製のパイプ2個、巻き紙2箱、小さなビニールのパッケージ数点などがありました。2人は父と暮らしていましたが、親はまったく気づいていなかったようです」(少年課)

 アイドル女優の高部あいがコカイン使用容疑などで警視庁に逮捕され、インターネットを通じて向精神薬を販売していた薬剤師が麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的譲渡)容疑で逮捕されるなど、薬物事件が後を絶たない。

 警察庁の統計によると、今年上半期に大麻事犯で検挙された未成年者数は58人で、昨年の同時期の33人を大きく上回っている。

 未成年者が簡単に違法薬物を手にする向こう側には、子どもたちを薬物依存に引きずり込み金儲けをしている薄汚い大人たちがいる。

「大麻や覚せい剤は、何年も前から若年層に蔓延しています。ネットの発達により、売人と対面せずに手に入る環境になったことが、低年齢化を助長しているのでしょう」(昭和大学の沼澤聡教授)

 小学生の大麻吸引について、長崎国際大学の山本経之教授は、「不思議ではない」と受け止め、その理由を明かす。

「グループの1人がやったら感染症のようにワッと広がります。昔は手を出すのが不良グループだけだったのが、今はLINEやネットの普及などで普段はおとなしそうな子も手を出しやすくなった。

 注射器などを使わずタバコのように手軽に吸える点や、種をまけば野山や家の中でも簡単に育てられる手軽さも、危険意識低下の原因だと思います」