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ふたば未来学園高校では、復興支援を志す高校生たちを励まされた(10月8日)

 2015年の皇太子妃雅子さまは、今までの療養期間中にはみられなかったほど、お出ましが増えた。

 宮内庁担当記者が語る。

「雅子さまは、6月には負担が重いとされる宮中晩餐会や、両陛下から引き継いだ『こどもの日』関連の施設訪問をして、7月には南太平洋の島国・トンガも訪問されました。8月には両陛下から引き継いだ、沖縄などの豆記者との懇談にも6年ぶりにご出席。

 10月には被災地の復興視察で福島県、『国民文化祭』への臨席で鹿児島県と、月に2回の地方公務を12年ぶりにされました。11月の園遊会は途中退席こそしましたが、12年ぶりのご出席となりましたね」

 雅子さまのそんな活動ぶりに、「体調がよいときにだけ出席している」「公務を選り好みしている」という批判が出ることもあるが、ある東宮職関係者はこう断言する。

「特に今年、雅子さまはあるひとつのテーマをもって活動し、心をくだかれてきました。

 それは皇太子妃というお立場からの、“ライフワーク”と言っていいと思います」

 雅子さまが今回、出されたご感想で、戦後70年の今年について、

「これからもよりよい日本を築き、次の世代に引き継いでいくための努力を続けるうえでの大切な節目になったのではないかと思っております」

と言及されたように、これからの未来を担う若者や子どもたちへの強い「思い」があるという。

「今年、両陛下から引き継いだ子育て支援施設の訪問も、まさに子どもとその親を励ますもので、豆記者も小・中学生からなる子どもたちです。被災地の福島訪問も、ユニークな取り組みをする『ふたば未来学園高校』で生徒たちと交流する機会が盛り込まれました。

 『国民文化祭』で鹿児島を訪れた際も、祭典に出演した女子高生の歌手を激励し、子どもたちに歴史ある薩摩焼の制作を体験してもらう取り組みを熱心にご覧になっていたことが印象的でした」

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皇太子ご夫妻がトンガから持ち帰られた工芸品を、ご覧になる愛子さま(11月28日)

 ある皇室ジャーナリストも、福島訪問の際のこんなエピソードを披露する。

「皇太子ご夫妻が乗車した行きの電車が、強風のため途中でストップして現地には80分の遅れとなり高校訪問が危ぶまれましたが、側近から学校に電話があり、必ず訪問する旨を伝えたそうです。

 逆に県知事からの県勢聴取の時間を短縮するなどして、学校滞在の時間を増やし、生徒たちもとても喜んでいたようです」

 次世代を重視する雅子さまのご方針について、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさんはこう話す。

「現在、両陛下は戦没者慰霊や遺族をねぎらわれるなど、どちらかというと、高齢者と接する機会が多くなっています。逆に、皇太子ご夫妻が若者や子どもを激励されることは、“役割分担”のような形になっていると言えるかもしれません。

 両陛下のご活動はいずれ、皇太子ご夫妻が引き継ぐことになるので、現在は、おふたりなりの活動をされるのは意義あることだと思います」

 来年、雅子さまは、14歳の誕生日を迎えられたばかりの愛子さまにお留守番を任せ、各地の若者を励まされる機会も増えるかもしれない。