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 国道20号線沿い、閑静なイチョウ並木沿いにたたずむ了法寺の入り口には……萌えキャラがドドーン! イラストレーターで声優のとろ美さんが描いたキャラクター「とろ弁天」看板がお出迎え。

 本堂には、とろ弁天の巨大フィギュアが鎮座。毎年行われる「いちょう祭り」では「痛たこやき屋台」や「痛おしるこ屋台」が出店され、全国からオタクが集う。とろ美さんが歌って踊るテーマソングもあり、境内でミニライブを行ったことも。

「もともと神社仏閣は人が集まるところ。親しまれるキャラクターがいてもおかしくない場所なんです」(了法寺住職・中里日孝さん)

 貞和元年(1345年)から続く了法寺を、平成元年に住職として引き継いだ。2009年に迷いながらも萌え看板を建てたところ、テレビ・雑誌などで報じられ全国から若者が集う人気寺に。

 でも、神聖な場所に、萌えキャラがいてもいいの?

「萌え看板のおかげで全国から若い人が訪れるようになり、私が仏様の話をする機会が増えました。人生相談を受けることもあり、本来の寺の役割を果たしつつあると感じています」(中里さん)

 キリスト教の教会のように、神様や仏様の話を気軽に聞きに来てほしい、と住職は語る。が、なぜ萌え看板?

「実は私も萌え看板の話を持ちかけられたときは、ビックリしたんですよ!」(中里さん)

 檀家や両親など誰か止めてくれるだろうと思ったら、意外と「いいじゃない! やってみれば?」と誰も反対しなかったという。

「日本の洗練された仏像のほうが邪道なんです。変な仏像こそがホンモノ。私たちは間違った認識を持っているのかもしれません」(神社・仏閣ライターで珍寺評論家の小嶋独観さん)

◆松栄山 了法寺

東京都八王子市日吉2-1

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