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 たとえ被害額が1円であっても泥棒は泥棒。しかし、1000円を盗んで逮捕されたニュースは聞いたことがない。

 勤務先の東京・赤坂の芸能事務所から1000円を盗んだとして俳優の磯崎竜一(39)が警視庁に逮捕されたというニュースが11月下旬、世間を騒がせた。

 芸能活動で目立った実績はなく、マッチョ自慢のバラエティー番組『筋肉番付』で総合上位に入賞したぐらい。つまり、俳優の肩書よりも犯行内容の「1000円泥棒」がニュースを大きくしたといっていい。

 同事務所によると、1000円程度の被害額で“身内”を売ったわけではないという。

「何度も事務所荒らしに遭い、警察に被害を届けていました。具体的な金額は申し上げられませんが、相当額です。警察から“事務所に大金を置かないように”とアドバイスされたこともあり、あの日はたまたま1000円しかなかったんです」(同事務所の社長)

 11月5日夜、カギを開けて事務所に忍び込み、会社の金に手をつける姿が、室内に設置した防犯カメラにバッチリ映っていた。今年3月までは同事務所に社員として所属し、それ以降も雑務を手伝うなどしていた。社員の身分を失ったときにカギを返さず、隠し持っていたとみられる。

「内部の犯行とは思わなかったので驚きました。顔がはっきり映っていて、逮捕前に磯崎本人と話をしました。一緒に警察に行くつもりでしたが、本人がいったん自宅に戻った際に逮捕されてしまったんです。被害届を取り下げ、本人と家族を交えて話し合った結果、芸能界を引退して新しい道で再出発をはかることになりました」(同社長)

 引退を迫ったわけではなく、本人から申し出たという。磯崎には妻子がいる。最近はほとんど仕事がなく、生活に困って、犯行に及んだようだ。

「残念でしかたがない。何をさせてもまじめで、スタッフの評判がよかったんです。磯崎と仕事をした人間はみな驚いていると思います。まじめに人生をやり直してほしい。今後は家族のために責任を果たしてほしい」(同社長)