mainasu0225

 今月16日から日銀によるマイナス金利政策が導入された。超低金利のもとでも預金を守る方法は? マネーのプロにやさしく解説してもらった。

 予定どおり今月16日、マイナス0.1%の金利の適用が始まった。教育ローンに関して、横浜FP事務所のファイナンシャルプランナーの平野雅章さんはこう語る。

「単体で見ると、国の教育ローンがおすすめです。日本政策金融公庫のものですが、固定金利であるうえに、金利がいちばん有利です」

 注意事項を含めて、次のように続ける。

「マイカーローンに関しては、変動金利が多いため、将来的な上昇に注意が必要です。気をつけなければならないことは、金利以外にかかるコスト。

 教育ローンですと、ろうきんは変動で2.2%と安めの設定に見えますが、保証料が0.7~0.98%上乗せされます。マイカーローンでは、融資手数料が借入額の2.16%かかる金融機関もあります。全体的な費用を考慮してから借入先を選びましょう」

 百貨店の積み立てサービスに着目するのは、ニッセイ基礎研究所シニアエコノミストの上野剛志さん。

「例えば、1年間同額を積み立てると1か月分のボーナスがプラスされる『タカシマヤ友の会』。実質利回りを計算すると、15%以上になります。毎月5000円から5万円まで5つのコースから選べるので、身の丈にあった積立プランを選びやすいと思います」

 回数券やプリペイドカードを購入することで実質割引がなされる企業も多いという。

 積極的に動くのではなく、支出を減らすのが優先という観点から、平野さんは、防衛策のひとつを明かす。

「確定拠出年金の活用が非常におすすめです」

 さらにこう話す。

「企業年金制度がない企業に勤める人は、個人型で最高月2万3000円まで積み立てられ、全額所得控除の対象になります。月2万3000円で、年間27万6000円が控除されることになります。所得税、住民税と合わせたら、年5万~8万円以上減ることになります」

 勤め先が企業型の確定拠出年金を導入している場合はマッチング拠出ができるかを確かめる必要があるという。

「企業が出してくれるお金に、自分がプラスして積み立てられる制度。所得控除の対象なので、税金が安くなります。デメリットは、原則として60歳まで引き出せないこと。

 今国会で、個人型を利用できる人の範囲を拡大する法案が出されており、成立する見込みです。近いうちに、専業主婦を含むほとんどの人が個人型を利用できるようになるので、今から知識を持っておく必要があるでしょう」

 マネー評論家の新田ヒカルさんの推奨するものは?

「個人向け国債、なかでも変動金利型10年満期、を選ぶことをおすすめします」

 そうきっぱり。

「変動10年は、金利の下限が0.05%に設定され、これ以下にはなりません。逆に今後金利が上がった場合、その0.66倍は適用金利が上がります。つまりリスクはほとんどないのにリターンが期待できるという意味で、ものすごく有利な選択といえます」

 銀行預金では微々たる利息しかつかないマイナス金利時代が始まった今、銀行の役割について新田さんは、こうアドバイス。

「安全に預かってくれるところと認識を変えたほうがいい。タンス預金では火事や泥棒のおそれがありますからね」

 平野さんは「いかにして支出を抑えるかがポイント。運用は攻めより守りと考えて行動しましょう」と呼びかける。まずは借入金を全部見直し支出を抑えるところから家計の防衛に踏み出したい。