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 4月19日スタートのドラマ『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)で、本格連ドラデビューを飾ることで話題を集めている関口アナム。父親は写真家の関口照生、母親は女優の竹下景子。武蔵野美術大学では映画を専攻していたため、両親は裏方を目指していると思っていたようだ。

「大学卒業後、イギリスに2年留学して、帰国後に将来のことを聞かれたんです。それで“役者をやりたい”と伝えたら、予想とは違う答えだったようでしばらく沈黙していました。母親には“甘い世界じゃないわよ”と言われましたね」

 イギリス留学をしたのは、関口家の方針。

「英語は絶対必要になるから学んでおけ、というのがうちの家の方針で。僕はそれが嫌で高校生の時に家出をしているんです(笑)。でも、大学を卒業してやっぱり英語は話せたほうがいいなと思って留学することにしました」

 帰国後、今の事務所に所属。仕事を始めてからは両親ともに応援ムードだという。

「母親は同じ世界にいるので“舞台は長い期間があるから、演出さんの話をちゃんと聞いて頑張ってね”といったアドバイスをくれますが、芝居自体のことについては何も言いませんね。どちらかというと、父親のほうがテンション高めで応援してくれています」

 最初にした仕事はドラマ『○○妻』内に流れる劇中CM。

「ドラマの中で流れる架空のコーヒーのCMで、“苦い、濃い、ブラジリアンコーヒー”という台詞を言った後に、彼女役の女の子にビンタされる役でした。リハーサルではビンタはしなくていいって言われていたのに、いざ現場に入ったらリハーサルからビンタをされて(笑)。スタッフの指示と違うこともあるんだ、と最初の現場で学ばせていただきました(笑)」

 芸能人二世、美大出身という肩書きのため、芸術肌だと思われることもあるというが、本人は「極めて普通の人間」と笑う。

「マネージャーさんとも“僕の売りは何だろう?”と話すことがあるんですけど、まったく出てこずに“普通の人間”という結論になるんです(笑)。だから、取材用とかに変わっているエピソードとかを考えるけど、毎回出てこないっていう」

 最近はバラエティ番組などで、芸能人二世をフィーチャーした企画も多い。そういう企画に出ることは嫌じゃないかを質問したところ、こんな答えが。

「最近は二世も増えてきているから、キャラクターがないと埋もれちゃいますよね。僕はさっきも言ったように面白いエピソードもないので、そういう番組に出ても活躍できる自信がない(笑)。だからこそ、俳優として実力をつけていきたいなと思います。将来は、“関口アナムの母親は竹下景子だって”と、母親ではなく僕の名前が先に言われるような存在になりたいですね」

<プロフィール>

せきぐち・あなん 1988年9月17日生まれ。東京都出身。『臨床犯罪学者火村英生の推理「探偵・青の時代」』(NTV×hulu)、CM『Indeed「その仕事が、ロボットを動かす」篇』、『Panasonic「Lyfelt」』PVなどに出演。

撮影/斎藤周造