手にしているのは、テツandトモからのファンレターの返事

 4月1日放送の『くりぃむナンチャラ お笑いマニア王決定戦』(テレビ朝日系)でそうそうたるメンバーの中、優勝を勝ち取ったピン芸人・テラシマニアック。その名前からもわかるとおり、マニアックなお笑い知識を豊富に持っているのが売りだ。そこで、そんな彼に人気芸人たちの意外なエピソードを教えてもらった。

――お笑い好きになったきっかけは?

「小学校6年生の時に『ボキャブラ天国』を見てお笑い好きになりました。特に海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)さんやX-GUNさんは、面白いのはもちろんですが、かっこいいっていう印象が強くて。あの当時はアイドル的な人気もあったんですよね。

 気がついたらお笑い業界全体を好きになっていて。とくに『ボキャブラ天国』の芸人さんが好きで、漠然とお笑いやりたいなと思いました。それまでは、よしもとの芸人さんしか知らなかったんですけど、番組ではテロップに事務所名が出るから、“こんな事務所もあるんだ”という新しい発見もあって新鮮でした」

――『くりぃむナンチャラ』では『ボキャブラ天国』のキャッチフレーズを暗記していると明言していましたが、暗記法は?

「意識して覚えようとするよりは、自然とネタ番組を見たり雑誌をチェックして、絶対に見逃すまいと必死でしたね。今ほどSNSも発達していないですし、自分でお笑いをコレクションしたいなと。好きなネタをカセットに録音・編集して繰り返し聞いたりとか。

 とにかく夢中でしたね。覚えようというよりは本当に好きで、見ているうちに自然と身についてきた感じです」

――レアなグッズやファンレターの返事もたくさん持っているんですよね。

「ファンレターの返事は、テツandトモさんが1番多いですね。あとはX-GUNのさがねさんとか。この前、初めてテツandトモさんにお会いしてファンとして公認もいただきました。

 あとは土田晃之さんが以前組んでいたコンビ・U-turnさんのテレホンカードやデンジャラスさんとノンキーズさんのサイン入りTシャツなど。この間『くりぃむナンチャラ』でデンジャラスの安田さんと共演させていただいたんですけど、緊張して言い出せなかったのが心残りでした(笑)」

――テツandトモさんとの思い出のエピソードなどはありますか?

「今年の初めに、事務所の先輩の手伝いに行ったらゲストでいらしていて。その時に“実は昔ファンレターを出していた者です”と話したんですよ。男の子からファンレターをもらったのが初めてだったそうで、なんとなくですが覚えてくださっていて。しかも、テツさんは家もすごく近いことが判明して。縁があるのかなと」

■『ボキャブラ天国』オファーがあった意外な芸人

テツandトモからのファンレターの返事。2人の人柄が伝わる文面だ

――昔からくりぃむしちゅーさんのファンだったそうですが、『くりぃむナンチャラ』で共演したときにお二人とお話はできましたか?

「緊張してあまり喋れなかったですね。番組がクイズ形式だったので、とにかく爪跡を残さなきゃと思って。マネージャーにも“ウケを狙わなくていいから、知識だけでいけ”と言われて、それだけでいっぱいいっぱいになっちゃいました。

 そもそも憧れの方々と横並びで座っているのが、テレビで見ているような空間だったので。次また出演できることがあれば、もう正解しなくて良いのでボケ側に回れる余裕も見せたいなと思います。一応、お笑いもやっているんだぞってところを見せないと(笑)」

――ネタにはお笑い知識やファンレターの返事の話が盛り込まれているんですよね。

「ネタに関してはまだまだ発展途上というか。こういうインタビューに呼んでいただくのも恐縮で。僕の中ではインタビューって受けるものではなく読むものなので(笑)」

――読む側として、印象に残っている記事やインタビューはありますか?

「下積み時代を語っているインタビューが好きですね。雨上がり決死隊さんがお笑いユニット・天然素材で挫折して、後輩のナインティナインさんに抜かれて腐っていたところから無理やり東京に来て成り上がった、というエピソードがあるんですけど、すごく好きです。

 あとはサンドウィッチマンさんの『敗者復活』という書籍があるんですけど、『M-1グランプリ』で優勝するまでの下積み時代と、優勝してからの生活との明暗が書かれていていいなと思いました。下積み時代がある方って“熱いな”と思うんですよね。後輩に抜かれたり、評価されているのに出て行けないジレンマに共感します」

――テラシマさんが知っている芸人の意外なエピソードがあれば教えてください。

「『馬鹿よ貴方は』の新藤さんは僕と一緒に温泉施設内の飲食店でバイトをしているんです。『M-1』ファイナリストになって以降テレビにも出るようになったのに、意外とお客さんに気づかれない(笑)。

 あと、『ボキャブラ天国』が人気絶頂の頃ですが、バナナマンさんとバカリズムさんに『ボキャブラ天国』出演のオファーがありましたが断ったそうです。

 さらに、海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)さんも初期の『爆笑オンエアバトル』に出場予定でしたが、スケジュールの都合で急遽出演がなくなり、幻で終わったとか。爆笑問題さんは平成初頭に番組の再現VTRでラブシーンを演じていたこともありましたね」

■とんねるず、本当のデビュー曲は?

――今後、この知識を生かしてやってみたい仕事はありますか?

「CSの番組で、みうらじゅんさんと一緒にお宝グッズを探しに行くロケをやってみたいです。あとは深夜ラジオでレジェンドの芸人さんを呼んで、昔のインタビューをさらに掘り下げるインタビューをしてみたいと思いますね。ニーズがあるかわからないですけど、マニアックな立ち位置でやっていけたらいいと思います。

 芸人になる方って“ネタが好き”とか“モテたい”とかの理由が多いと思うんですけど、お笑いが好きすぎて芸人になっちゃうって人はいないと思うんですよ。ビートたけしさんも“仕事は2番目に好きなことをやったほうがいい”っておっしゃっていて。でも好きなので、夢のような仕事ですね」

――共演してみたい芸人さんは?

「ダウンタウンさん、とんねるずさんですね。憧れすぎてまだ架空の人なんじゃないかと睨んでいるところがあるので、肉眼で確認したいです(笑)」

――会ったら聞いてみたいことはありますか?

「とんねるずさんには、プロフィール上のデビュー曲を『一気!』にされているんですが、本当は『ピョン吉・ロックンロール』が1曲目なので、大人の事情があるのか聞いてみたいです(笑)」

――最後に読者にメッセージをお願いします。

「お笑いの知識でわからないことがあれば聞いてください。ツイッターなどSNSで気軽に絡んできていただきたいですね。壁を感じずにフランクに接してほしいです」