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 先日、最終回を迎えたTBSドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』。中谷美紀演じる主人公が奮闘する姿が話題を呼んだ。今や「結婚したい!」という思いに、年齢もタイミングも婚歴も関係ない時代。巷で開かれている、さまざまな婚活パーティーに潜入した。

 最近、「晩婚化の波に乗るまい」と、学生のうちから出会いの場に積極的に出向く女性が増えている。そんな噂を聞きつけ、やって来たのは都内にあるビルの一室。恋心を盛り立てる洋楽が鳴り響いている。そこで行われていたのは『学生限定・恋活&婚活パーティー』。

 大学生の男女約12名が1対1で向かい合い、互いのプロフィールにチラチラ目をやり、楽しげに会話をしている。5分ごとに相手を変え、全員と話ができるシステムのようだ。

 会場にいたミカさん(仮名・19)に参加理由を聞いてみた。

「自分で積極的に出会いの場に行かないとチャンスなんてないんです。大学もバイト先も女ばかりで……」

 ミカさんは「出会いがない!」を何度も強調。

 彼氏と別れたばかりでパーティーに駆け込んだ、都内の某女子大に通うアリサさん(仮名・20)は、玉の輿願望の強さをのぞかせた。

「私は若いママになるのが夢なんです。社会人2年目で結婚して、退職するのが目標。結婚相手の理想は、早慶以上の高学歴で、大企業勤めの人。そこは譲れません。もっとお金があれば、好きなことができたのにって思うことが多くて」

 なんと、この日参加した女子全員が、就活を目前に控えた大学3年生。恋活も就活も、同時進行なのだ。

 彼女たちに共通していたのは「20代で結婚し、出産を終えたい」という強い願望。それも“恋愛結婚”が大前提。となれば、結婚までの交際期間、その後の出産を考えて、学生のうちから出会いに貪欲になるのは、無理もないのかもしれない。

 同会を運営する『アクー』代表・東宗一郎さんによれば、カップル率は毎回60%を超える高確率。

「20代なら出合い頭にポンと恋愛しやすいし、そこから結婚に発展するケースもあります。パーティーがご縁で結婚を決めたカップルからのお礼は月2通ペースで届きますよ」

■20代後半で恋愛からお見合いにシフト

「28歳を過ぎたら、恋愛要素はあきらめて相手を選ぶ。女の価値がピークに達する年齢で欲は捨てるべき」

 そう話すナナミさん(仮名・28)は、婚活にラストスパートをかけている。

「約4年間、ほぼ週4で欠かさず合コンしてきました。軽く3ケタを超えますね」

 大手商社、大銀行、マスコミ関係など、“大物”相手の合コンを制覇してきたが、最近は100人規模のパーティーに狙いを定め、出会いの可能性を広げた。

 なぜ、そこまでして20代の結婚にこだわるのか。

「出産願望が第一ですね。20代のうちに1人目を産みたい。家族仲がいい家庭で育ったので、私も早く家族が欲しいんです」(ナナミさん)

 ナナミさんは、結婚後を見据えた準備も進めている。

「今は仕事が楽しいけど、子どもができたら“会社を辞めたい”と思うかもしれないので婚活と並行して資格職の勉強もしています」

 ライフプランを明確に持ち、そこから人生を逆算して婚活時期を見極める。そんな堅実志向の20代女性の中には、早々とお見合いに踏み切るケースも。

 今年、相談所に登録したノリコさん(仮名・29)は、土日はすべてお見合いに捧げて婚活中。相手の条件を聞いた。

「35歳以下の男性ですね。子どもが大学卒業するまで定年を迎えない計算で、ギリギリライン。恋愛要素は二の次。それよりも子どもはいつ欲しくて、習い事は何をさせるか、マイホームは買うのか、など価値観のマッチングが大事です」

 ノリコさんは夏までに運命の人を見つけ、来年4月までの結婚を目指している。

「職場の30代の先輩で、婚活しても挫折する人が多くて。その姿を見ていて、初めて焦りが芽生えました」(トモコさん/仮名・27)

 思い立ったらすぐ行動する性格から、勢いで相談所に登録。1か月たたないうちに11人の男性とお見合いし、交際に進みそうな相手を3人に絞り込んだ。

「恋愛要素はいりません。結婚すれば、いずれなくなるものですからね」(トモコさん)

 そう語り、短期集中志向で、サクサクお見合いに励む。

「一般的に、30代以上の女性の中には相談所を“最後の砦”と考えて利用される方もいます。ただ、弊社にご来店いただく20代女性は“最善の手段”といって利用されます。効率のよさを求め、相手に求める条件の優先順位もハッキリしている。賢い方が多いというか、柔軟性がありますね」(婚活支援サービス『パートナーエージェント』の山下俊さん)