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左が2015年春の和装、右が同年秋の洋装

 『春の園遊会』が4月27日に東京・赤坂御苑で開かれる。

 毎年、春と秋に天皇・皇后両陛下主催で、三権の要人や各界の功労者が招待され、両陛下をはじめ皇族方が労をねぎらわれる恒例の行事である。昨年11月の『秋の園遊会』では、皇太子妃雅子さまが12年ぶりに出席したことも注目を浴びた。

 そんな雅子さまについて、美智子さまは園遊会における「ドレス・コード」の心配りをされていた─。

「園遊会での女性皇族の服装は、以前は和装か洋装かをその都度、皇后陛下がお決めになり、ほかの皇族方はそれに従われることになっていました。

 当日の天候や気温の問題もあるでしょうから、最終的にご服装が決定するのは、かなり近づいてからになったと思われます」

 そう解説するのは、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さん。

「皇太子妃殿下(雅子さま)や各宮家の女性皇族は、皇后陛下のご決定を待って、ご服装の準備をなさると思いますが、女性皇族の場合はヘアスタイルやアクセサリーのこともあるので、大変だったでしょう。

 そういった理由からか、私も最近知りましたが、今は和装・洋装を春・秋で交互にしているそうです」(山下さん)

 つまり、'14年の秋と'15年の春が「和装」と続いたので、

 '15年の秋と今年の春は「洋装」になるローテーションなのだ。

「このように前もって決まっていれば、女性皇族方の準備はそれぞれのご都合でできますし、ご負担は軽減されます」(山下さん)

 一部報道では今回の園遊会は「和装」で、雅子さまはすでに着物を新調されているとも伝えられたが……。

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左が2014年春の和装、右が同年秋の洋装

 ご服装の順序化の経緯について、'09年の春か、'11年の秋が“転機”になったかもしれないと指摘するのは、別の宮内庁関係者。

「'09年は3月に皇后さまがテニスの際に左ひざを打ち、靭帯を損傷されたことがありました。

 それが原因でヒールを避けることから和装にされたのだと思いますが、ほかの女性皇族方は洋装でした。

 同じく'11年の10月には、右ふくらはぎが下腿筋膜炎と診断されたからなのか、皇后さまだけ着物でほかのみなさまは洋装だったことがあります。

 特に、園遊会の直前に不測の事態が起きると、混乱を招きかねないので、皇后さまはローテーションにされたのではないでしょうか」

 古くは乳人制度の取りやめや親子同居など伝統やしきたりにとらわれない行動を、陛下とともにされてきた美智子さま。皇室に新しい風が吹いたともいわれた。

「美智子さまが以前、国賓の歓迎行事のときの女性皇族の服装を和服から洋装に簡素化され、皇族方がお喜びになったという話を側近からうかがったことがあります」

 そう話してくれたのは、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。

「園遊会の服装を順序化されたのも簡素化の一環で、病気療養で長年、参列できなかった雅子さまへのご配慮もあったのかもしれません。

 前もって和服か洋装かがわかれば、和服が苦手とされる雅子さまも予定が立てやすく、洋装が続くときに復帰しやすいからです」(渡辺さん)