s-sousa0421

 テレ朝系「土曜ワイド劇場」で2012年から5作を放送してきた人気シリーズを連ドラ化した『警視庁・捜査一課長~ヒラから成り上がった最強の刑事!』(テレビ朝日系・木曜夜8時~)。

 主演の内藤剛志はじめ、金田明夫、斉藤由貴らレギュラー出演者が顔をそろえた。警視庁を舞台にした本格的な刑事ドラマに内藤は、こう力強く語る。

「東京都内で起きるすべての凶悪事件の捜査の責任を取るのが、捜査一課長です。現実はあまりにも激務なので1年間だけの任務だそうですが、僕は最低10年間、演じ続けたいと思っています。やればやるほど発見があるので、改良してどんどん面白い作品を作っていく時間が欲しいんです」

 過去、27クール(6年9か月)続けて連ドラに出演し“連ドラの鉄人”と異名をとる内藤。35年を超す役者キャリアのなかでは、刑事を演じたテレビドラマが最も多く、今回で33作目を数える。

 そんな内藤が演じる主人公の大岩は、“刑事の中の刑事”といわれる捜査一課長。約400名の精鋭刑事を統率する指揮官。

「集団を束ねる力がある男です。理想の上司として描かれているけれど、決して優秀なだけでない。上から目線ではなく、失敗したら謝れるし、気遣いができ、“ありがとう”のひと言が言える。実際に警視庁や京都府警の捜査一課長とお会いしましたが、とても穏やかな方でした。僕は、あの人のためなら全力を尽くそうと思ってもらえるような大岩を演じようと思っています」

 学生時代から自主映画に打ち込み、仲間を集めることや、公演のための資金調達に奔走した経験から、役に共感することも多い。

「ドラマの撮影自体、集団の力が必要です。主演を張ることは捜査一課長のようなものですが、苦にはなりません。(僕が)理想の上司というわけではないですけれど(笑)」

 見どころのひとつで、大岩が“必ず、ホシをあげる!”と気勢を上げ、“ハイッ!!”と大勢の捜査員が応えるシーンは、大事にしているという。

 捜査員役にはエキストラもいるため声がけしたり、シーンの説明をしたりして、現場の空気をひとつにまとめ上げながら、金田、斉藤とは阿吽の呼吸で、撮影は快調に進んでいる。

「僕は自分の役は自分だけで演じるのではないと思っています。相手あってこその大岩。金田さんや(斉藤)由貴ちゃん、大勢の方の力なしでは成立しません」

 “必ず、ホシをあげる!”の決めゼリフの裏側を、秋山貴人プロデューサーが明かしてくれた。

「当初は“あげろ”と命令形だったんです。でも内藤さんが、一課長も一緒に(事件捜査を)やるんだから“あげる”がいい、とアイデアを出されたんです。このひと言に大岩の人柄や本作のテーマが象徴される形になりました」

 第2話(4月21日放送)では、高尾山で大手食品総合商社社長の秋野芳美(石橋けい)の遺体が発見され、大岩は現場に急行。ところが到着すると遺体が消えていた。まもなく遺体は新宿区内の自宅で見つかったという連絡が。

 わずかな時間で犯人はどうやって高尾山から新宿まで遺体を移動させたのか? その事件現場にいた野次馬のひとり、三村菜実子(矢田亜希子)が、「私が芳美さんを殺したかもしれません」と自白するが……。事件の真相は?

「二転三転するストーリー展開をお楽しみいただけます。本作は、事件の被害者の悲しみや犯人に対する怒りを原動力にした刑事たちが解決に向けてまっすぐ突き進んでいく姿を描いているので、謎解きに集中してご覧いただけると思います」(秋山プロデューサー)