4月27日に東京・赤坂御苑で開かれた『春の園遊会』での皇太子妃雅子さまについて内庁担当記者はこのように語る。

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中座する直前、両陛下に笑顔で挨拶をされた雅子さま(4月27日)。ご休憩後、赤坂東邸へ

「雅子さまは、オフホワイトの帽子とスーツ姿で、前回ほど緊張した様子もなく、招待者に声をかけ途中で退席されました」

 園遊会は毎年、天皇・皇后両陛下をはじめ皇族方が、各界の功労者をねぎらう2000人規模の行事だが、熊本地震の影響で実は今回、開催を危ぶむ声も。

「両陛下は地震直後の静岡県訪問や歌舞伎の観劇をお取りやめになり、余震が続き犠牲者も増えるなか園遊会も……という憶測も流れました。

 しかし宮内庁の説明によれば、園遊会は自粛すべき華やかなものではなく、国の功労者をねぎらう厳粛な行事ということで、予定どおり行われました」(同・記者)

 タレントの黒柳徹子さんや元女子サッカー日本代表の澤穂希さんなどが招待されたが、昨秋に続いての雅子さまのご参列も注目されていた。

「雅子さまは昨年の秋、園遊会に12年ぶりに参加されましたが長年、困難なご活動のひとつとされてきました。

 多数の報道陣が待ち構えるなか、不特定多数の人にお声がけをしなくてはならず、両陛下や皇族方との歩調にも気をつけ、和服を着ることもあるからです」(皇室ジャーナリスト)

 そんな理由もあってか、昨年は冒頭の10分弱のみの出席だったので、今回はより多くの招待者との懇談や、黒柳さんら「特別誘導者」が待つ場所までの参列が期待されていた。

「雅子さまは今回も昨年と同様、冒頭の式典に参加してから、苑道を数十メートル歩き、招待者の一部と歓談し、会場を後にされましたが、その際にハプニングがありました」

 と話すのは別の宮内庁担当記者。

「雅子さまは中座する直前に、前を歩き歓談されていた両陛下に挨拶をして退出されたのです。これは昨秋にはみられなかったことで驚きました」

 しかも、今回のご挨拶は“予定外”だったようだ。

「雅子さまは退出する直前に、儀式などを担当する式部職の女性職員に会釈をしたい旨をお伝えしたようです。

 その職員が両陛下の先導役に伝令するなど、少し慌ただしい様子でしたね」(同)

 両陛下と招待者とのご歓談が一段落するまで雅子さまは側で待ち、深々と頭を下げ、にこやかにご挨拶。

 皇太子さま(56)や周りの招待者にも会釈をして、雅子さまは会場を後にされた。

 一部には、「ご歓談中の両陛下に失礼ではないか」という声も上がったようだが─。

「それだけ、美智子さまへの感謝のお気持ちが、自然に湧き起こったということではないでしょうか」

 と、雅子さまのお気持ちを読み解くのは、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。

「美智子さまは常日ごろから陛下を支えながら、療養中の雅子さまに配慮してか、園遊会のドレスコードを変更するなど気を配られています。

 今回、中座されることも事前に両陛下のお許しがあったと思いますが、そのようなことも含めた美智子さまのご配慮に感謝の念をもったからこそ、だと思います」(渡辺さん)

 美智子さまも、突然のことに驚いたかもしれないが、雅子さまの「気遣い」と、「余裕」に喜ばれたことだろう。