電撃入籍した相武紗季が、不倫、悪女を演じているサスペンスドラマ『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系・火曜夜10時~)。キーマンのひとりとして好演する相武に舞台裏を直撃。
「私の演じる北里杏南は、伊藤英明さん扮する望月幸平の愛人。自分の欲望に忠実で、すべてに渇望している女性です。だから自分より多くを持っている人を見ると奪いたい衝動に駆られてしまう。思った以上の悪女で、私もびっくりしています!
杏南がいなければ幸平は真理亜(木村佳乃)を殺そうと思わなかったでしょうから、この作品が始まらなかったのかも(笑)」
こう語るのは、相武紗季。役作りでは杏南の弱さや、やさしさがどこにあるかを考えたという。
「でも、悔しさは見えても、悲しさとか切なさとか、弱い部分は見えてこない。杏南には裏表がないんです。ここまで振り切っている役は気持ちいいと思って演じています。でも、絶対に友達にはしたくないタイプ(笑)。杏南の欲望に素直に生きる逞しさ、生きる能力の高さには憧れますね」
結婚生活に行き詰まった幸平は、杏南に持ちかけられて妻の真理亜の殺害を計画。しかし、決行しようとした夜、真理亜は誘拐された。2億円の身代金も犯人に奪われた。でも、誘拐は真理亜の狂言によるものだった。
真相を知った幸平と杏南は2億円を奪い取ろうとするが、その大金を狙った人間はほかにもいて……。
「幸平の元義兄の横路(宮迫博之)が横取りしようとしたり、ご近所の和樹(高橋一生)が杏南に接触してきたり。そして、真理亜に幸平殺害を持ちかけられたり……。この先は、杏南が2億円をめぐる“ゲーム”のイニシアチブをとって、動かしていきそうです。
これだけヤバイ登場人物がそろっているドラマはなかなかないと思います。いろんな人の欲にまみれた姿、悪さの限りを、笑って楽しんでください!
撮影現場では、英明さんと佳乃さんは、共演が多いこともあって仲がいいんです。阿吽の呼吸というか、強い絆で結ばれている感じで、憧れますね。私は、そんなおふたりを盗み見して、幸平と真理亜に憧れる杏南の気持ちを妄想しています(笑)」
今回の悪女役、ドジな教師、クールなシェフなどで名わき役ぶりが光り、進境著しい相武。市原悦子のような女優が目標という。5月初旬に入籍を発表して公私とも充実しているが、“ヤバイ”経験はなし?
「30歳を過ぎても楽しいことが多すぎてヤバイです(笑)」
初回で話題になった幸平と杏南とのラブシーンは、伊藤がリードし、動きを丁寧に説明してくれたため、抵抗なく臨めたという相武。
「自分を美しく見せようというより、セクシーでエロくて、欲望が感じられるシーンになればと思いました。ベッドシーン以外でも幸平と杏南はしょっちゅうイチャイチャしているんですが、英明さんはすごく恥ずかしがっているんです。
キスシーンのたびに“やりたくてやっているんじゃないからね”と、周りにエクスキューズ。誰もそんなこと思っていませんって(笑)。頼りになるお兄さんですが、実はシャイで可愛らしい方です。熱いお芝居をするけれど、繊細な部分も見せてくださる英明さんに、安心して寄り添っています」
■2大悪女に翻弄されるダメ男っぷりが魅力
真理亜が月なら、杏南は太陽。こう表現するのは、豊福陽子プロデューサー。
「まるで違ったタイプの2人の悪女と、彼女たちに翻弄される幸平がなんとか出し抜いてやろうとして失敗する滑稽さが面白いと、視聴者の方からご意見をいただいています。ハラハラするサスペンスですが、幸平のちょっと間の抜けたコミカルさがあるために、怖すぎずに楽しめます。伊藤さんも“それがこの作品のトーンだね”と非常に意識なさっています」
男をやり込める真理亜、杏南の痛快さに加え、ダメ男だけどちょっと応援したくなる幸平にも人気が集まっている。
「展開が早く、ピリピリするシーンも多い本作ですが、現場は笑いに満ちています。例えば貞淑な妻だった真理亜が本性を現して“あなたって本当にバカね”と笑うという非常に怖いシーンも、爆笑しすぎてしまって何度か撮り直しました(笑)」
ラスト目前、7話(5月31日放送)以降のキーマン、注目ポイントは?
「困ったことに、全員がキーマンなんです! 杏南が手を組むのは幸平か、真理亜か? 横路はどう動くか、違和感のあった鯨井夫婦の動きは、木暮の正体は……? 非日常ではありますが、人間関係のなかには、どこか“あるある”と思えるポイントをちりばめながら描いています。衝撃のラストに、ご期待ください」