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江戸時代の画家・伊藤若冲の展覧会でも、お元気そうな笑顔を見せた雅子さま(5月12日)

 6月9日、皇太子妃雅子さまが皇太子さまのもとに嫁いでから24年目に入る。

 ご成婚から9年目の'01年12月に、長女の愛子さま(14)が誕生されたころから、ご体調が徐々に悪化し、2年後には「長期静養」に入られた雅子さま。

 お出ましの数は激減していたが、ここ3年ほどは雅子さまが公の場にお姿を現す機会も増え、苦手とされる活動もこなされてきた。そんな順調なご様子の雅子さまに、久しぶりの公務の期待がかかっている。

「6月12日に千葉県で“みどりの愛護”への参加の可能性があり、もしご出席となれば、'09年に横浜市で行われたとき以来となります」(宮内庁担当記者)

『「みどりの愛護」の集い』は、公園緑地等の愛護団体などが集まり、緑豊かな環境づくりを推進するための行事。

 '90年に始まって以来、皇太子ご夫妻が主に臨席されていて、「八大行啓」と言われる重要な公務のひとつになっている。

「皇太子同妃両殿下の八大行啓といわれる公務は、時代とともに恒例化や増減をしながら、両陛下から引き継がれたものを主に、現在は7つあります」

 そう解説するのは、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さん。

 ほかには現在、『献血運動推進全国大会』『全国高等学校総合体育大会』『全国育樹祭』『国民文化祭』などがあるが、長期療養に入ってからの雅子さまのご臨席は、限られたものになっている。

「これらは重要な公務ですが、地方で開催される場合は道府県から、メインの式典以外に福祉施設などへの訪問の願い出があります。ですから宿泊や移動も含めて療養中の妃殿下にとっては、負担が大きいでしょう」(山下さん)

 昨年10月に、鹿児島県で行われた八大行啓のひとつ『国民文化祭』に雅子さまは8年ぶりに出席されたが、負担を考慮し現地で欠席された公務もあった。

 ただ、今回は隣県の千葉で開催されるということで、山下さんはこんな見立てをする。

「日帰りということもあり、都内のお出ましと変わらないと考えることができます。

 最近、映像で拝見する限り、妃殿下の表情は以前より明るくなっておられるように感じますので、今回の“みどりの愛護”にお出ましになる可能性はあると思っています」

 皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさんも、雅子さまの“モチベーション”は、上がっているのではないかとみる。

「皇太子ご一家は、この春に昭和記念公園で、'99年に“みどりの愛護”で植樹したサトザクラをご覧になったそうですね。

 雅子さまは懐かしさとともに、ここまで支えとなってくれた皇太子さまへの感謝のお気持ちがこみあげてきて、今回のご出席につながることになるかもしれません」

 昨年10月、雅子さまは『国民文化祭』の前に、東日本大震災の被災地、福島県の復興状況もご視察。

 12年ぶりに月に2度の地方公務を果たされたが、今回はそれ以上の活動ぶりになるかもしれない。

 宮内庁関係者が明かす。

「6月20日ごろから皇太子ご夫妻は、1泊2日で岩手県の復興状況視察に出かけられる予定が持ち上がっています。もし実現すれば、2週連続の地方公務で宿泊を伴うものとしては約13年ぶりになると思います。

 雅子さまは'11年の東日本大震災後は、2週連続で東北へお見舞いに行ったこともありますが、日帰りでした。

 '03年3月に『世界水フォーラム』で、京都府に泊まりがけで2週連続の訪問をされて以来になると思います」

 岩手県で皇太子ご夫妻は、宮古市田老地区の「震災遺構」として保存されているホテルや、高台に集団移転した団地を訪れ、被災者を励ましになるご予定も検討されているという。

 3日には、被災地の復興の状況と取り組みについて聴取するために、復興庁の事務次官からの「進講」を皇太子さまとともにお受けになったという雅子さま。

「千葉訪問の直後に、決してアクセスのよくない宮古市を訪問されることは雅子さまにとって簡単なことではありませんが、実現すればさらなる一歩になると思います。雅子さまの訪問は被災者の励みになりますし、その歓迎ぶりに雅子さまも前向きな気持ちを持たれるのではないでしょうか」(同・東宮職関係者)

 ご成婚記念日の当日は、天皇・皇后両陛下やご身内を、お住まいの東宮御所に招待し、夕食会を開くことが多い皇太子ご一家。

 雅子さまの“挑戦”が目前に控えるなか、皇后美智子さま(81)からは、祝福とともに励ましのお言葉があるかもしれない。