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 朝ドラ『あまちゃん』で注目を集めた松岡茉優が、NHKの連続ドラマ『水族館ガール』(NHK総合、17日スタート、金曜夜10時~)に初主演。落ちこぼれOLが、出向先の水族館で新米飼育員として奮闘するヒロインを演じる。

 商社勤務の嶋由香(松岡茉優)は仕事のミスから、系列の水族館への出向を命じられる。飼育員として働き始めるが、賢いイルカに試され、先輩にしごかれる毎日。それでも必死にくらいついて、次第に人間としてたくましく成長していく。

「見ているだけで癒されるドラマになっています」(松岡)

 実際にイルカに接しながらの撮影については、こう語っている。

「生物は嘘をつかないので、撮影が長引いたりうまくいかなかったりすることもあるのですが、本物のリアクションをしてくれたり、たまたますごくうまくいったりすると、今まで感じたことのない感情がお芝居の中で生まれてきて、俳優としても成長できるドラマだなと思っています」

 由香に対して厳しく接するチーフの梶良平(桐谷)は、動物への愛情は深いが過去のつらい経験から心を閉ざしていた。だが、次第に由香のトレーナーとしての資質に気づき、その情熱を認め始める。

「梶の傷ついた心が由香の成長でどう変わっていくかを見てほしいです」(桐谷)

 イルカに慣れるため、松岡と桐谷は撮影2か月前から訓練を受けていた。制作を手がけたテレパックの黒沢淳プロデューサーは言う。

「おふたりとも“とてもセンスがいい”と水族館のトレーナーさんが絶賛していました。劇中には4頭のイルカが登場するのですが、実は僕らには見分けられません。ところが松岡さんと桐谷さんは訓練を始めて1週間後には見分けられるようになっていました」

 梶はベテランなので桐谷は見事なジャンプをさせるなど、訓練の成果を存分に披露できる。問題は新人飼育員・由香役の松岡だ。

「由香が餌を与えてもイルカが素通りするシーンがあるのですが、すっかり松岡さんになついているので、寄ってきてしまう。あのシーンには苦労しました(笑)」(黒沢プロデューサー)

 イルカはもちろん、アシカにアザラシ、巨大魚、熱帯魚などの海の生物の愛らしさを楽しめる作品だが、いちばんの見どころは、松岡と桐谷の演技という。

「松岡さんのコメディエンヌぶりはキュートで秀逸ですし、三枚目役の多い桐谷さんが本作では本領発揮でカッコよくて厳しい二枚目に。由香と梶の関係は、人気漫画『エースをねらえ!』の岡ひろみと宗方コーチのそれと似ていますね(笑)。ご期待ください」

■イルカに配慮して、撮影機材の模型を設置

 撮影は、京浜急行大森海岸駅そばの『しながわ水族館』と、池袋の『サンシャイン水族館』の全面協力のもと休館日、開館前と閉館後に行われている。

「出演者のみなさんはとても楽しんでいらっしゃいます。なかでも動植物が大好きな石丸(幹二)さんは、空き時間になると、いろんな海洋生物の写真を撮っていますね」

 『しながわ水族館』では撮影前に、カメラやレフ板など撮影機材の模型を事前に設置しておき、イルカたちを環境に慣らす協力をしてくれたという。また、キャストの衣装も実際に、同水族館のスタッフが着用しているのと同じ。スタッフも全員着用して臨んでいる。

「みんな同じジャンパーで、似たような姿になるので見分けがつかなくなるんです。澤部(佑)さんのほかにもスタッフに丸刈り頭の人がいて、後ろから“澤部さん”と呼んだら、助監督だった、ということも(笑)。

 本作のテーマのひとつは“家族の会話の復活”。朝ドラみたいに、家族で同じテレビ画面を見て、お楽しみいただける作品を目指しました。出演者もお子さんからお年寄りまで好感度の高い方々がそろっています。金曜の夜はドラマ10を楽しんでいただき、翌週も頑張ろうと思っていただけたら幸いです」