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 日本のトップアスリートたちが、日々トレーニングを重ねている『味の素ナショナルトレーニングセンター』。

 ここで選手たちを食事でサポートしている食堂『SAKURA Dining』に潜入。選手を支える食事の秘密に迫った。

 食堂はビュッフェスタイル。食べたいだけ食べられるが、日替わりで主食や主菜、副菜、麺類などが用意され、選手それぞれが決めた摂取カロリーに合わせて料理をチョイス。メインの4品は、メニューの上が高エネルギー、下が低エネルギーになるように掲示されている。

 宿泊の選手には、施設にチェックインするときに食券が渡されるシステム。宿泊者以外の関係者には、朝食930円、昼食1240円、夕食1540円で食券が販売されている。

 アスリートの食についての相談に乗る管理栄養士は5人、そのほかにも料理を担当する栄養士10人がここで働く。

「アスリートたちの食事は“何を食べる”ではなく、“何のために食べる”かです。身体作りとか筋力アップとか、選手によって課題がありますので、その課題を達成するためにトレーニングや休養と同じくらいに食事を大切にしようと。それを『勝ち飯』と呼んでいます」

 こう話すのは、食堂で管理栄養士として働く古川由佳さん。リオ五輪まで開催50日を切り、その4年後には東京でのオリンピックが控えている。そこで活躍する選手たちを、食事でサポートしている。

「鶏のから揚げなどでは皮を取ってしまったり、豚肉ならヒレを使うとか。特別なメニューではありませんが、低脂肪高タンパクということを考えてメニューを作っています。

 ただ、体重を落としたいとリクエストされ、理想の食事を伝えても間食でお菓子を食べてしまったり(笑)。難しいですね」

 トップアスリートたちの食事を見習って、一般人にも実践できる食べ方は?

「バランスよく食べること。これはアスリートもスポーツをしない一般人でも同じです。量は人それぞれで変わりますが、主食、主菜、副菜、汁物、乳製品が偏らないようにすることです」

 古川さんは、アスリートも一般人も、身体を作るもとは食事と話す。

撮影/竹内摩耶