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 話題の大河ドラマ『真田丸』。これからの鍵を握るこの人に直撃インタビュー。秀吉役・小日向文世の“素顔”を明かしてくれたのは、豊臣秀次役の新納慎也。

「撮影の合間とか前室などで、大きい声で芸能ネタをめっちゃしゃべるんですよ(笑)。本番の間には“もう声が出なくなっちゃうよ~、もう無理~”って駄々こねたり、セットを歩いていたとき“滑るから足袋脱いでいい?”って。いいわけないじゃないですかっ!(笑) 現場を楽しませてくれる、本当にお茶目で大好きな先輩です」

 自身が演じる秀次について聞いてみた。

「秀次は、秀吉の“黒い部分”を取り払った人。秀吉の気さくな感じ、いいところだけを吸収したんでしょうね」

 秀吉の甥として、世継ぎがいないときには後継者とされていた秀次。運命に翻弄され、死へと向かっていく彼を演じている新納が、抱いている“思い”とは?

「秀吉のおかげで今の地位があって、自分は戦国という世には似つかわしくないということもわかっていたんでしょう。彼は言ってしまうと、何事も深く考えていない“ボンボン”(笑)。でも、彼が関白になってそのまま国を治めていたら、すごく平和な世の中になったんじゃないかな、と思うんです」

 これまでほかのドラマで描かれたり、史実で伝わっている秀次は“殺生関白”と異名をとるほど残酷だったという人物像だが?

「秀次の菩提を弔うために建てられた瑞泉寺で、彼の肖像画を見せていただいたんですけど、憂いを帯びた、穏やかな表情をされているんです。三谷さんからも、“飄々と、繊細に演じてください”とだけ言われています」

 今回が大河初出演の新納だが、時代劇については自分の“顔”にまつわる苦い思い出があるという。

「僕、舞台が多いのでドラマのお仕事はあまりないんですけど、その中でも大河とか時代劇は一生やれないと思っていたんです。 若いころ、NHKに営業に来たことがあるんですけど、“えっ? その顔で?”みたいな感じで、“じゃあ、鉄砲伝来のポルトガル人の役があれば”と、すごく丁寧に言われまして(笑)。ちょんまげ姿で大河に出ているのが、今でも信じられないですよ」

 秀次といえば、いつもきり(長澤まさみ)にちょっかいを出しているイメージがある。

「彼女の素朴さや明るさに惹かれているんでしょうね。演じている長澤まさみさんの“陽のオーラ”があるので、ご覧いただいているとおり、自然と明るい感じになりました。

 側室になれ、ときりに言っていた秀次ですが、自分の死を前に、最後に彼女に見せた優しさは……。秀次最後のシーンはすごく切ないです。お楽しみに、というのも変ですが(笑)、ぜひご覧ください」