日本のAVは"JAV"と言われるほど、世界に浸透している
【タイムリー連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】アダルトビデオ(AV)大国・日本。数多くのAVが巷に氾濫するにつれ、それに伴うさまざまな問題もまた浮上している。AVの世界があまりに身近な存在になってしまった以上、自らの身を守るためにも、女性もAVについての最低限の知識や理解を持つべきなのではないかとフィフィは指摘する。

女性も最低限のAVへの知識を持つべき

 アニメに匹敵するほど海外で有名な、日本のAV産業。いまやデビューする女性の数は、年間3000人にものぼるといいます。知り合いがAVに出演していても全くおかしくない時代だよね。

 ひと昔前までは、お金に困って出演する人が多かったみたいだけど、最近はお金だけでなく、タレントへの登龍門として、あるいはファンとの交流イベントでちやほやされるからといった理由から、軽はずみにその世界に足を踏み入れる女性も多いようです。

 だけど、作品数が膨大だからバレない、芸名だからバレないと思っていても、とくに彼氏や彼氏の友だちなどを通して身内バレしてしまうケースはいくらでもあるし、一度出演してしまうと、データは世界中に広がって完全に消すことはできません。

 海外では、顔認識システムを用いて検索をかけると、AVに出演していたならばヒットするといったアプリまで、すでに出ているからね。

 なかにはAVへの出演が身内にバレたとき、被害者側にまわり、出演を強要されたと言い始める女優さんもいるようです。

 あるいは、現役AV女優の香西咲さんが、AVへの出演を強要されたとして、前所属事務所を告発したばかりですが、本当に強要されるケースがないとも言い切れません。現場に行ってみてはじめて、そういう撮影なのだと気がつく女性も多いようですね。

 男性と違って女性は普段AVを見慣れていないこともあって、雰囲気的にAVかもしれないと自身で気がつきにくいところがあるんじゃないかな。

 だけど、これだけAVへの敷居が下がってしまった今、女性も最低限のAVに関する知識は持っておくべきなのかもしれませんね。

タレントへの道も険しく…AVに出演することには、リスクしかない

 そして、AVをタレントへの登龍門として考えている女性たちがいるのなら、その道は相当厳しいんじゃないかと思う。

 8月15日に元AV女優・紅音ほたるさんが亡くなられましたが、以前、偶然ご飯屋さんでお見かけしたとき、声をかけさせてもらいました。そのとき私が連載を持っていたこともあって、その場で対談を申し込んだら、快く引き受けてくださって。

紅音ほたるさんのTwitterアカウントより

 それで色々とお話をしたんだけど、本当に自分の職業に誇りを持っていらっしゃった。亡くなる直前のツイートからも、AVで働くことには意義を感じ納得していたものの、ポールダンスやDJには最後まで納得していなかったという想いが伝わってきますけど、元々彼女はAVで名前が売れたならば、テレビでタレントとして活躍する姿を、大好きだったおばあちゃんに見てもらいたかったんだよね。

 だけど実際には、単体であれだけ活躍されていた彼女でさえ、テレビで見かけるという機会は少なかった。

 彼女のヘアメイクさんも、死後2週間ほどたち、やっとその死が報道されたことで、“ようやく日の目を見た”とおっしゃっていたけど、それだけAVから芸能人に転向して活躍する道は険しいということだよね。

 もはや、今の日本でAVに出演することには、リスクしかないと思う。相当な覚悟や誇りを持って出演するか、もしくはお金で割り切ることができないのならば、安易に足を踏み入れるべき世界ではないと思うよ。

《構成・文/岸沙織》