今女性が本当に求めているのはイケメンよりも、ほめ上手な男性=“ホメメン”――。女性をほめることこそモテへの近道であると、その知識とテクニック“ほめろじ~”を紹介した男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』が話題になっています。

 なぜほめることが有効なのか、著者の仁科友里さんはこう話します。

初対面の女性に“いい記憶”をたくさんプレゼントすることがモテにつながる(写真はイメージです)

「シカゴ大学認知社会神経科学センターのステファニー・カシオッポ博士によると、人は出会って0.5秒で相手を恋愛相手にするかどうか見極めているのだそうです。

 脳が恋愛対象としてOKサインを出すと、男性は視覚をはりめぐらして相手の女性の外見の細部をチェックしだし、女性は相手の男性の行動をチェックしてしっかり記憶するのだそうです。これは男性にとって大チャンスと言えるでしょう」

 つまり、女性が記憶を重視して男性を選ぶのであれば、男性は初対面の女性に“いい記憶”をたくさんプレゼントすればいいということ。地味に見えて一番“いい記憶”に残るのは、女性をほめることだと仁科さんは解説します。

 さらに、女性が「他人が自分をどう見ているか」を非常に気にする自意識過剰な生き物であることも関係しているといいます。

「たとえば、SNSで愛され自慢をしているアカウントは独身・既婚にかかわらず、たいてい女性です。女性の自意識過剰は、子どもを産み、安全に育てるために脳に備わる基礎機能だそうです。だからこそ、好きな女性にはまめに“あなたはいつも素敵に見えているよ”と折に触れて伝えて“いい記憶”を与えることが効果的なんです」(仁科さん、以下同)

誰のどこをほめるか、ほめゾーンを決める

 しかし、誰彼問わず女性をほめていると、ほめ言葉の信憑性が低くなってしまうもの。だからこそ、誰のどこをほめるか、ほめゾーンを決めておくことが大切だそう。

女性をむやみにほめればいいというのはNG。誰のどこをほめるか、ほめゾーンを決めておくことが大切(写真はイメージです)

「合コンのように、複数の女性といっぺんに知り合った場合は、話した女性全員に“どう見えるか”は話してください。これでミッションコンプリート。あとはもう一度会いたい女性だけ、積極的に外見をほめていきます」

 最初は「かわいい」「きれい」といった漠然としたほめ言葉から始めて、どんどん細かいパーツをほめていくといいとのこと。外見をほめる際のポイントは、2つ。

 1つめは、“生まれつきの部分”と“そうでない部分”(髪やネイルなど自分の意志で手間をかけている部分)を両方ほめること。2つめは、性的な表現をとらないことです。

「“生まれつきの部分”とは、顔と身体です。性的メリットを重んじる男性のみなさんは、女性の顔はもちろん、バスト、ヒップや脚に興味があるでしょう。しかし、交際が成立していない段階でバストやヒップ、脚を性的な表現でほめるのはNGです」

 さらに、いいイメージのある職業にたとえてほめると、簡単に好意を伝えられるといいます。

「たとえば、手脚が長い、長身、細身の女性には『モデルさんみたい』、清楚でかわいい感じのする女性には、『テレビ見ないからよくわからないけれど、女子アナっぽい』と職業でくくりましょう。顔をほめる際は『目が大きい』など好きなパーツを挙げてみて」

 そんな見え透いたお世辞や嘘は言いたくないと思う男性もいるでしょう。しかし真の目的は、ほめることによって、男性側に興味をもってもらうこと。だから、厳密にその職業に見える、見えない、芸能人に似ている、似ていないを突き詰める必要はありません。

「それに、“男を立てる”という考えがいまだに残っている日本において、男性たちは女性に日々『さすが!』『すごい!』など心にもない嘘を言ってもらっているわけですから、おあいこと考えてください」

ほめられ下手な女子への対処法

 対して、ほめられ慣れていない日本女性は「ありがとう」と言っておけばいいのに、いろいろ考えてしまい、次のようなリアクションを取りがちだと仁科さんは言います。代表的なリアクションは以下の3つ。

【1】「ほめても何も出ないですよ」(自虐)

【2】「身長が高くて、いいことなんてなかったです」(愚痴)

【3】「私、女子アナって憧れない」(反発)

「一見、ほめを否定されているような感じもしますが、他人から“どう見られたか”という自意識について本人たちが語っているわけです。これは彼女たちが求める“私の中に眠る魅力”を探す会話なので、十分手ごたえありです」

 3つの答えへの上手な対処法は以下の通り。

【1】の自虐は、実はほめられたくてしょうがない心の裏返しなので、疑問形で返しましょう。「なんでほめちゃいけないの?」もしくは「なんでそんなことを言うの?」でOKです。

【2】の愚痴には、他人から「どう見えるか」の自意識を利用しましょう。「人から見たら、うらやましいと思われるだろうけど、本人は大変なんだね」でまとめます。

【3】は、女性は「他人からどう見える」かという自意識の発達した生き物ですが、これは「女性同士の序列に敏感」と言い変えることもできます。女子アナより、キミのほうが“上”、「確かに女子アナって最近は、そうでもないもんね」と女性を持ち上げればいいのです。

「こうして女性をコツコツほめていき、“私は彼にとって世界一魅力的で、かけがえのない存在である”と思わせることができれば、女性は男性から離れることはありません」

<プロフィール>
◎仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、Twitterで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。2016年8月に男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)を上梓。