前橋署から姿を現した高畑裕太は待ち構えていた報道陣を前に30秒間、深々と頭を下げ続けた

「このたびは! みなさまに多大なるご迷惑をおかけしてしまい……! 本当に! 申し訳ありませんでした!!」

 絶叫の謝罪だった─。勾留されていた前橋署から姿を現した高畑裕太は、冒頭の言葉を述べると、深々と頭を下げた。下げ続けること約30秒。

「見た目はピシッとしていましたが、表情は不遜な感じで、睨みつけているようにも見えました。謝罪の言葉も妙に口調が強くハキハキしていて、ちょっと“異様”な感じでしたね」(現場にいたカメラマン)

 双方の弁護人の話し合いによる急転直下の示談成立。強姦致傷の被害を受けたとされる40代女性との間に、いったい何があったのか。

 高畑の顧問弁護士は、釈放の当日、報道陣に向け、FAXでコメントを発表した。

《私どもは、高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません》

《違法性の顕著な悪質な事件ではなかった》

《仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります》

「裕太さん側は今回の件について、合意があるものと思っていた、としています。合意のもとで性行為が始まっても、途中で女性が拒否した場合、強姦罪となる。しかしこのときに女性から男性に“拒否の意思”が伝わったかが問題であり、伝わっていなければ、故意ではなく犯罪にならない、と言うのです」(社会部記者)

 脅迫や暴力で女性が拒否できない状態にし、無理やり性行為に及んだ場合などは“違法性の顕著な悪質な強姦罪”といえるが、“そう”ではなかったと、裕太側は主張。

「捜査では、彼が“歯ブラシを持ってきてほしい”と女性従業員を呼び出し、届けに来た際に部屋に引きずり込んだ可能性があるとされていましたが、顧問弁護士はそのような事実はなかったと主張しています」(前出・社会部記者)

 無理やり行為に及んだわけでもなく、合意だった─。

9月9日、高畑裕太が保釈された日の夜。報道陣に謝罪をする高畑淳子

「裕太さんは逮捕後、母・高畑淳子さんと初めて面会した際“自分のしたことわかっているよね?”と問いかけられると、泣きながら“申し訳ない、申し訳ない”を繰り返し、罪を受け入れている様子だったといいます。

 また、淳子さんも会見で“(息子は)一生償っていかなくてはならない”、“舞台をお見せするのが、私の贖罪”と言いました」(ワイドショースタッフ)

 逮捕時、裕太は容疑を認めていた。また、淳子の会見によると、彼は「死のうと思った」とまで言っていたはず。2人が償うべきと言った“罪”とは、なんだったのか。結果的に、彼らの主張ではそんな罪はなかったことになる。

「検察は、今回の不起訴処分の理由を明らかにしていません。強姦罪の場合は、被害者の告訴がなければ起訴できませんが、強姦致傷罪は被害者からの告訴がなくても起訴ができます。

 それにもかかわらず不起訴となったのは、おそらく“致傷”に当たるケガが軽かった、もしくは双方の話し合いで“ケガはなかった”ということになったのでは。その点で示談となれば検察は起訴できません。示談金は相当の額だったと予想されます」(前出・社会部記者)

 強姦致傷罪による示談金とはどれほどの額になるのか。

「一般的な示談金は、300万~500万円が相場です」

 そう話すのは、弁護士法人・響の徳原聖雨弁護士。

「加害者が芸能人の場合は、連日報道されてしまいます。性犯罪であれば、身体的だけでなく精神的な傷も、報道されることによってより深くなる可能性がある。そのため示談金も高額になります」(徳原弁護士、以下同)

 芸能界に多大なる影響を与えた今回の事件。裕太に課せられる違約金は億を超えるといわれている。そのうえに高額の示談金がのしかかる。

「支払いは分割の場合もありますが、性犯罪の性質上、一括での支払いが多いですね。一刻も早く忘れたい過去なのに、分割となると支払いが終わるまで忘れることができないという理由です」

 不可解なのが、強姦致傷はなかったとされた点。

「強姦罪は、警察は“合意がなかった”ということを前提として逮捕します。しかし、逮捕段階ではあくまでも被害者の供述をもとにした逮捕なので、高畑さんのように、“あれは合意だった”という話が出て、結果的に示談になるケースは、まれにありますね」

 現在放送中のドラマ『侠飯~おとこめし~』(テレビ東京系)は5話まで裕太が出演。以降は出演シーンのカットという対応となった。

「いまのところは逮捕時と変わらず、今後もカットした状態で放送する予定」(テレビ東京宣伝部)

 バラエティー番組では、いまだに影響が出ている。

高畑裕太はTBS系のバラエティー番組で中尾彬(左)と研ナオコ(右)と共演していたが、それも全カット

「8月29日に放送された『7時に会いましょう』(TBS系)は、裕太さんの出演シーンは全カットとなったのですが、その内容は研ナオコさんが裕太さんにお説教するというものだったそう。

 研さんの怒りは、バラエティーではなく“マジ”だったとか。それを見た中尾彬さんも同じ不満を抱いていたのか、“芸能界をナメるな!”と忠告したようです」(芸能プロ関係者)

 不起訴となり、裁判は行われないため、あの日なにがあったのかは当事者が口を開かない限り、真相は闇の中。

「淳子さんが会見で使った“被害者とされる方”という表現に違和感を覚えた方も多かったのではないでしょうか。結果的に40代女性は“被害者”ではなかったという結論になりました。もしかしてこれを想定していたから……と、邪推されてもしかたないのでは」(前出・社会部記者)