映画『真田十勇士』に出演する松坂桃李 撮影/伊藤和幸

 映画『真田十勇士』でクールな天才忍者・霧隠才蔵を演じる松坂桃李。

「もう、“お~! 中村屋!”って思わず声が出そうなくらい、(中村)勘九郎さんの演技は大迫力でした。そんな勘九郎さんと一緒に芝居ができて、すごく贅沢な時間でした」

 実は2014年に行われた舞台版でも同じ役を演じた。

「時間がたってから同じ役をやるっていうのは、最初はすごく不安でした。“えっと……どうだったっけ”みたいな(笑)。でも、舞台版と同じキャストの顔が並んだり、舞台で言っていたセリフが劇中で出てきたりして、だんだんその不安感はなくなりましたね」

 舞台版の演出に引き続き、今回映画を手がけたのは堤幸彦監督! 松坂は台本を読んだ時点ですでに“面白いものになる”と確信したというが……。

「でも、読み進めていくうちに(才蔵が)“馬と一緒に駆け抜ける”とか“空を飛び、敵の首をはねる”って書いてあって、あれ……無理かもしれない、と(笑)。

 僕は忍者の役なので、馬には乗らないんです。撮影ではまさかの“馬と同じスピードで走る”っていう(笑)。ワイヤーアクションで空も飛びましたよ!」

映画の現場では「ずっと下ネタをしゃべってました」と松坂桃李 撮影/伊藤和幸

 ハードな撮影が続いたが、現場は男だらけで、まるで男子校状態だったそう!

「ずっと下ネタをしゃべってましたね(笑)。撮影も夜遅くまでだったので、みんな変なテンションになってたのかな……? まるで中学生みたいでした」

 物語では、十勇士が一致団結し、徳川軍20万という大軍に立ち向かう。これまでに、仲間と一緒にひとつのことをやり遂げた思い出ってある?

「高校の文化祭で、僕のクラスは映画を作ることになったんです。僕、ジャンケンに負けて主役をやることになって。

 内容は男子高校生が保健室の先生に恋をするっていう話なんですが、その恋が成就して思いが叶ったとき、実はその先生が男だった……ていうオチだったんです(笑)」

 お客さんの反応はどうだったのだろう。

「恐ろしくつまらないものができあがったなと自分では思ってました(笑)。でも、それが意外と人気だったんですよ!」

 “ダメダメだった”という初演技だったが、今では舞台や映画で主演を張るほどに!

 同じ俳優の中で、男として惚れる先輩はいるのだろうか。

「僕が思う“ホンモノの男”っていうのは、渋く、色気があり、チャーミングである、というこの3つを兼ね備えている人だと思うんです。僕が“男が惚れる男”だと思ったのは映画『日本のいちばん長い日』でご一緒した本木雅弘さんですね」

 自分にはその3つの要素はあると思うか尋ねると、

「どれも足りてないです……。そこに行きつくにはもっといろいろなことを経験しなくちゃならないかと。修羅場を乗り越えてきた人の顔っていうのは、違うと思うんです。うーん……自分はまだ8パーセントくらいかな。デビューして8年目なので(笑)。ホンモノの男を目指して、まだまだ頑張ります!」

岡田将生にあるイタズラを仕掛けたという松坂桃李 撮影/伊藤和幸

 実はイタズラ好きなエピソードが。

「人を驚かせるのが好きで。岡田将生と仲がいいんですが、この前、現場が一緒だったときに、驚かせようと思ってお尻をバッて触ったんですよ。そしたら腰から抜け落ちて(笑)。逆にこっちがビックリしちゃいました」

 もしも男兄弟がいたら? と尋ねると、

「僕には姉と妹がいるんですが、昔は“もっと頑張れ!”とか言われてました(笑)。男兄弟には今でも憧れますね。兄貴や弟と一緒に飲みたいです。ゆっくり飲んで、お互いのことを語り合いたい!」

<作品情報>

(C)2016『真田十勇士』製作委員会

◎『真田十勇士』
 “天下に並ぶ者なし”と称えられていた真田幸村(加藤雅也)。実はその男、偶然の連続で名将とされてきただけの“腰抜け武将”だった――!? そんな男を「本物の天下一の武将に仕立てあげようじゃないか!」と、忍者・猿飛佐助(中村勘九郎)をはじめ、霧隠才蔵(松坂桃李)など“真田十勇士”が立ち上がる――。
9月22日(木・祝)全国ロードショー。