4度目のレコード大賞を受賞するHIRO('13年)

 見る者を「あっ」と言わせるエンターテイメントを届け続けるEXILE。彼らのシングルやアルバム制作に関わってきたスタッフの都築裕五さん、立藤勝敏さん、田島慶介さんに国民的モンスターグループへと成長した秘密を語ってもらった。

 デビュー当時からのルールで彼らが発表するすべての作品は、メンバー全員が参加する会議によって決められていく。15周年を記念して発売されたベストアルバムに関してもそう。

 収録曲、曲順、今回の目玉となるEXILE TRIBEの全男性パフォーマー31名に世界のトップダンサー22名、国内トップダンサー12名が参加した超大作ダンス映像など、メンバーが関わらずに世に出ていくものはない。

 しかも、多数決ではなく、全員が納得するまでとことん話し合う“合議制”によって決められていく。

初出場した紅白歌合戦で『Choo Choo TRAIN』を('03年)

「HIROさんとATSUSHIさんを中心に、若手メンバーも含めた全員が、さまざまな意見を出し合いながらグループとしてやるべきこと、進むべき道を決めていきます」(田島さん)

「メンバーがずらっとそろっているところでプレゼンするのは、本当に緊張します。みなさんの真剣さが伝わってくるので。終わったあとは、汗だくです(笑)」(立藤さん)

「最近は、メンバーとスタッフで作っているグループLINEでも、みんながどんどんアイデアや意見を提案してくれるようになりました。いい意味で24時間つながっている感じですね」(都築さん)

 ファンからしたら、なんともうらやましいお話。LINEを通じてギュッと詰まった内容が次々に届くそう。

「たまに仕事で確認が遅れたメンバーから“遅れました。すごくいいと思います”とメッセージが入ることも。みんな、すごく礼儀正しくて、律義なので、僕らも気合が入ります」(都築さん)

 メンバーによってテレビ番組や雑誌で語られてきた“EXILEあるある”。《体脂肪は1ケタ台維持を目標》や《ケガをする恐れがあるためスキー、スノーボード、サーフィンはなるべく避ける》《喫煙禁止》《レコーディングには、パフォーマーも積極的に参加》。

「デビュー当時から、立ち会えるパフォーマーはレコーディングに参加していますね。仲のいいメンバーたちが集まることで、リラックスして作業ができるんだと思います」(田島さん)

 レコーディング作業の中で、パフォーマーたちがダンスの振り付けを考えたりすることもあるそう。

「15年たつと、たいていはファンクラブの平均年齢も上がっていくもの。EXILEのすごいところは、ファンの世代が広がっていること」(都築さん)

 グループとともに年を重ねていくファンがいる一方で、二章、三章、四章と新メンバーが加入するたびに、新たな若いファンも増えていく。いまでは、3世代でライブ会場に足を運ぶ人たちも。

見た目とハートのギャップ

「EXILEには“エンターテイメントだからこそできる新しい社会貢献を目指します”と、アーティスト活動を通じて社会への約束ごとを明文化した“EXILE statement”があるんです。

 例えば、《“Love、Dream、Happiness”をテーマに活動し続けていきます》のような。以前からHIROさんが言い続けてきたことです」(都築さん)

 メンバー同士はもちろん、スタッフやファンもこの公約(公式ホームページのSPECIAILで見ることができる)によってつながっている。

「楽しみながら、より面白いエンターテイメントを! と、ギリギリまで頑張って世の中に仕掛け続けている。だからこそ、多くの方に支持されるんだと思います」(都築さん)

EXILEのメンバーたち

「個人的にいちばん印象に残っているのが、’09年に天皇陛下御即位20年をお祝いする国民祭典で、天皇陛下の前で奉祝曲をパフォーマンスさせていただいたときです。スタッフの僕らもそうでしたが、あれほど緊張感漂う現場は初めてでした」(都築さん)

「最初に宮内庁からの電話を受けたのは僕でした。限られた時間の中で、奉祝曲『太陽の国』を制作していったことを覚えています」(立藤さん)

 エンタメ界を代表してパフォーマンスを披露したEXILE。トレードマークのサングラスをはずして歌うATSUSHIの姿が話題となった。

『EXTREME BEST』 9月27日発売。CD3枚組+DVD4枚組 6980円+税、CD3枚組+Blu-ray Disc4枚組 7980円+税、CD3枚組 3500円+税 *画像をクリックすると特設サイトにジャンプします

「第三章がスタートする前、HIROさんから“メンバーの人数を(7人)増やす”と言われたときは、何でだろう? と思いました。

 初のスタジアムツアーが始まり、その巨大なステージ上で走り回る14人のメンバーと、お客様の反応を目の当たりにして、“こういうことだったのか”とようやく理解ができました」(都築さん)

「HIROさんはつねに3年先、5年先くらいまでイメージしながら、いまどうあるべきか、何をするべきか考えています」(田島さん)

 5年先のビジョンもあると言われると、気になるのが’20年の東京オリンピック。

「何かで参加するためには、世界に通用するものを見せられるようにならないといけない。東京五輪にかかわらず、EXILEが次に目指すのは、世界基準。

 音楽留学するATSUSHIさんが戻ってくる2年後。それぞれがソロ活動やほかのグループでの活動を通じて、さらに大きくなったEXILEをお披露目できることを、私たちも楽しみにしています」(都築さん)