雨の中、手をふられる陛下に美智子さまが傘を差し出し、“相合い傘”に(9月29日)

 9月28日から10月2日までの両陛下の行幸啓について、「今回の天皇・皇后両陛下の岩手県訪問は、東日本大震災の復興状況視察と国民体育大会を兼ねたものでしたが、4泊5日という異例の長さになりました」と話すのは宮内庁担当記者。

「国体が北上市や盛岡市と内陸で行われたのに対して、復興視察は沿海部の大槌町や山田町などだったため、移動距離が増え合計で300キロを超えました」(同・記者)

 8月8日に、陛下が「生前退位」を強くにじませる「おことば」を発表してから初めての被災地訪問─。

 来年の春ごろにはベトナム訪問も検討されていて、国民に寄り添い、国際親善に努める陛下と美智子さまの方針に一切の揺るぎはないようだ。

「9月29日に両陛下は、大槌町のホテルで海辺に咲く白いハマギクの花をご覧になりました。

 両陛下は19年前にもこのホテルに宿泊しましたが、震災の津波で壊滅的な打撃を受け、関係者はホテルの再建をあきらめかけたそうです。 

 しかし、両陛下が当時ホテルから贈られたハマギクを大切に育てられていることに励まされて、復興にこぎつけたそうです」(同)

 山田町役場では雨が降るなか、出迎えた人たちに対して美智子さまは、

「お身体、大丈夫ですか。お大事になさってください」

 と優しく声をかけられたが、陛下に対する思いも、同じようなものに違いない。