映画『湯を沸かすほどの熱い愛』に出演する杉咲花 撮影/佐藤靖彦

 NHK『とと姉ちゃん』の三女・美子役が記憶に新しい女優・杉咲花。

「“ついに終わった~!”って達成感がありました。これほど長い期間、ひとつの作品に関わることがなかなかないので、とてもありがたく貴重な時間でした。でも、もっと自分の演技ができたんじゃないかって悔しさも残ってるんです」

 CMで回鍋肉をおいしそうに頬張る姿も印象深い彼女だが、今度は映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で宮沢りえ演じる“お母ちゃん”の娘役を熱演! 

「監督からお母ちゃんと(異母妹役の)鮎子、3人は家族になってほしいって言われたんです。お互い連絡先を交換して、インする前から1日1回はメールをして写真を送り合うこと、敬語をやめることを約束しました。

 お母ちゃんは撮影のとき“どれだけ時間がかかっても大丈夫。たとえできなかったとしても気にしなくていいから”と気にかけてくださって。本当にお世話になりました」

 今でも宮沢のことを“お母ちゃん”と慕う杉咲。映画の撮影は『とと姉ちゃん』よりも前だったこともあり、宮沢も朝ドラを見ては「大丈夫かなと心配していた」と娘を思っていたとか。互いに思いやる姿は、まるで本当の母娘! 劇中では感情をぶつけ合うシーンもあったけど、本当のお母さんともケンカするの?

「します! 私が部屋を片づけないことから始まり、そういった小さなところから全部ぶつけられて大きなケンカに発展します(笑)。謝るのはいつも私が先。私が折れないと、一生ケンカしたままなんじゃないかというくらい、母は頑固なんです(笑)」

「早く20歳になりたい!」

杉咲花 撮影/佐藤靖彦

 母親に対して、まだ“テレ”があってすべてをさらけ出せないとか。

「わが家はいろんなことが上手じゃないんです。それは私も同じで、何でも言い合える母娘もいると思うんですけど、私はまだ何でも言うことに恥ずかしい気持ちがあって。今は友達のほうがやっぱり何でも言えちゃう(笑)。

 本当は言いたい思いもたくさんあります。でも、いざ母が目の前にいると言えなくなったり。これもまだ直接言えてないし、言葉にするのも恥ずかしいんですが、母には私の母親でいることを誇らしく思ってもらえたらうれしいってひそかに思ってます」

 今ハマっているものは何かと聞くと、

「かき氷が大好きで、2年くらいずっとハマってるんです。共演者の方にも、かき氷の話をよくするので、みんなどんどん好きになっていって。

 昨日もとと姉(高畑充希)から“かき氷食べたよ”って写真が送られてきて、“好きになってる~♪”って思いました(笑)。今は台湾にかき氷を食べに行くのが夢です!」

 まだあどけなさの残るピュアな笑顔を見せる杉咲。あと1年で20歳を迎えるけど、10代のうちにしておきたいことって何かある?

「実はあまりないんです。それよりも早く20歳になりたい! 打ち上げも今は最後まで参加できなかったり、できないことも多いので。でも10代もあと少し、その限られた期間を楽しんでみようと思います」

(c)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

<作品紹介>

『湯を沸かすほどの熱い愛』
銭湯の『幸の湯』を営むも、いきなり夫が出奔したことで休業状態。そんな状況ながら、持ち前の明るさと強さで娘を育てる双葉(宮沢りえ)だったが、ある日、“余命わずか”と宣告を受け――。家族を思う母の愛と、想像できないラストに思わず号泣必至の感動作。10月29日(土)全国ロードショー。