北島三郎

「この日本の大切な演歌をずっと頑張って最前線で大黒柱として支えていただいたのが、北島三郎さんであります。

 そして、まさに演歌の精神である義理と人情ということを大切にされてます」

 10月5日に都内のホテルで行われた北島三郎の『芸道55周年記念パーティー』。芸能界だけでなくスポーツ界や政財界などから約700人を集め盛大に行われた。

 挨拶に立った安倍晋三総理大臣も、冒頭のようにサブちゃんへ最大級の賛辞を送った。

「とにかく、パーティーは豪華のひと言で、本当に著名人だらけという感じでした。

 ただ、北島さんが入場の際に、お孫さんの手を借りて歩いていらっしゃった。やはり、ケガが思わしくないんだなあと思いましたね」(スポーツ紙記者)

 北島といえば、今年8月下旬に自宅で転倒。頸椎症性脊髄症で9月11日から都内の病院に入院していた。

「パーティーは“自分が歌うより、集まってくれた方々と話したい”という北島さんの意向で、歌はありませんでした。ですが、壇上で挨拶を受ける北島さんは、演台のようなもので支えて立ったり、椅子に座ったりと、かなりつらそうでした。

 3時間半という長丁場でしたから歌唱なしとはいえ、かなり体力を消耗したのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)

 今回のパーティー出席のため、入院中は精力的にリハビリを重ねていたという。だが、体調は思ったほど回復しなかったようだ。

演歌界の面々がお祝いにグランドプリンスホテル新高輪に駆けつけた

実は事務所スタッフなどは、北島さんの体調面を重視してパーティーの延期も検討していたんです。ですが、北島さんは“俺の大切な日だから”と言って、頑として受けつけなかった。

 それ以上に、招待したゲストの方々に迷惑をかけるわけにはいかないという思いが強かったのでしょう」(レコード会社関係者)

 まさに満身創痍で臨んだパーティー。さすがに、会が終わった直後、彼の身体に異変が起こった。

「パーティー終了後、マスコミを集めての囲み取材が行われる予定だったのです。ですが、北島さんの疲労のために急きょ取材が中止になってしまったのです」(ワイドショー関係者)

 その舞台裏では、やはり大変な事態が起こっていたという。

「緊張の糸が切れたのか、パーティーが終わった直後に北島さんが倒れてしまったのです。さすがにスタッフもびっくりして、救急車を呼んで入院していた病院へ搬送したんです。大事には至らなかったようですが、かなり体調は悪かったようですね」(音楽関係者)

 だが、翌日6日には同じ会場でファンのためのイベントが用意されていた。さすがにこの会は中止かと思われたのだが……。

北島さんは何としてもファンの集いに行くと言ってきかなかったそうです。病院で泊まって、そのまま会場へ駆けつけた。本当は歌を披露する予定だったのですが、それはなしになってしまった。

 ファンへ向けて北島さんご本人が“こういう状態なので申し訳ないです”と謝っていました。代わりに北島ファミリーの方々が盛り上げていましたが、北島さんは歌えずに無念そうでしたね。でも、はたから見たら、舞台に立つだけでもすごいと思いましたよ」(前出・音楽関係者)

北島ファミリーの北山たけし(右)や大江裕(左)が盛り上げた

 救急搬送のことなどはひと言も漏らさず、ファンのためにと体調不良でも舞台に立ったサブちゃんの“男気”。安倍総理が感服したとおり、“義理と人情”を大切にする姿を見せていたのだ。

 そこで、パーティーで救急搬送された件と現在の体調について所属事務所に聞いてみると、

「5日のパーティー当日は、朝から食事も水も制限していたんです。それで貧血になったということですよ。突然、フラッとしちゃったもんで、周りのスタッフが焦って救急車を呼んだだけなんです。

 ただの貧血だったので、病院に着いたら体調が戻って、お寿司をみんなで食べてって感じでしたよ。現在も入院していますが、オヤジは来年2月のコンサートに向けて、リハビリを頑張ってますよ

 と、舞台裏を明かしてくれた。