カップめん、カレー、ポテトチップス……日本の国民食のあのウワサは本当だった? 食の“都市伝説”を検証します!

【カップめん】「どん兵衛」には東西のこだわりが凝縮

『日清食品』が販売する即席うどん『日清のどん兵衛』は、1976年の発売当初から、東西でつゆの味を変えているのはホントの話。

 広報によると、

「岐阜県の関ヶ原を境に、東西エリアに分けて販売してきました。東はかつおだしをベースにした濃い色の濃口、西は昆布だしをベースにした薄い色で薄口。全国展開のカップめんで、初めて地域別につゆの味を変えたのは当社です」

『日清のどん兵衛』は東西でつゆの味が違う

 そのこだわりはつゆだけじゃない。2002年から、おあげの味も東西の嗜好に合わせて変更。'14年から別添する七味も、東西それぞれのつゆの特徴に合わせてブレンドを変えている。

 反対に、東西で味の統一をしたのが、「U=うまい、F=太い、O=大きい」カップ焼きそばとして支持されている『日清焼そばU.F.O.』。

 '11年、発売35周年を記念し登場したのが東日本版。東日本のソース焼きそばの傾向を分析し「スパイス香る芳醇ソース」と銘打って中身を一新した。しかし翌年には、商品の特徴である「濃厚ソース」を強化する方向性で全国統一され、今に至っている。いずれにしても、おいしさの追求にかけては妥協しない日本のカップ麺、おそるべし!

【カレー】カレー肉は「西牛東豚」が常識!?

 日本の国民食、カレー。カレールウの最大手『ハウス食品』グループ広報IR部は、独自に行った家庭で作るカレーに関するアンケート調査について、「東京・大阪の既婚女性1529人の調査によると、東京は牛肉24%・豚肉52%、大阪は牛肉51%・豚肉31%と違いが出ています」と指摘する。

 また図表のとおり、マーケティングリサーチ会社『ドゥ・ハウス』による自宅で作るカレーに関するアンケート調査でも同様の結果がみてとれる。

※(株)ドゥ・ハウス2013年2月調査実施

 外食カレーにも「西牛東豚」の傾向はあるのだろうか。カレーチェーン店『カレーハウスCoCo壱番屋』を全国展開する『壱番屋』広報によると、

「当店では基本のカレーソースがポークです。そこに加えるトッピングを例にあげると、ビーフカツの出数(比率)上位10位までが西日本ですね。また関西といえば牛すじ。関西限定メニューとして、牛すじ煮込みカレーがあります」

 カレー肉の東西境界線とされる三重県桑名市。地元の食品メーカー『ヤマモリ』は、『天下分け目の桑名カレー』と名付けたレトルトカレーを販売。直販新事業開発部の上野毛戸さんは、

「以前、長島町と呼ばれていた地域に木曽川と長良川が合流する地点があり、そこで牛肉と豚肉に分かれたとか。橋がなかった昔、川で食文化が分断されたそうです」

1食で2倍おいしい「天下分け目の桑名カレー」

 カレーの東西に歴史あり。

【ポテトチップス】のり塩味はかつて東西で別ものだった

 全国の嗜好に合わせて、通年商品・地域の味など合計30種類以上のバリエーションがあるカルビーのポテトチップス。

 なかでも1976年の発売以来、シンプルな塩味にのりの香りがふわっと漂う「のりしお」は不動の人気。実は、'87年から2006年まで東西の塩分嗜好の違いに合わせた“のりしお西日本版”が製造されていた!

 広報部によると、

「'07年から、のりの風味をより楽しめる味つけにスペックを統一。そして、のりしお人気が高い東日本向けに『のり塩パンチ』を新たに発売しました。よりしっかりと、のりの味が楽しめる関東限定商品です」

カルビーのポテトチップス『のり塩パンチ』

 販売は関東限定だけど、のりは九州・有明産とか。