「イカ焼き」「卵サンド」「桜餅」など、名前は一緒でも、地域によって似て非なる食べ物を一挙紹介!

【イカ焼き】東のイカ焼きはイカ焼きにあらず!?

 イカ焼きと聞いて、あなたはどんなものを思い浮かべる? 東西の違いを知らないままお店で注文すると、まったく違うものが出てきて驚くかも……。

東西の「イカ焼き」

 関東でイカ焼きといえば、イカの丸焼きのこと。しょうゆの焦げるにおいがたまらないお酒にも合う一品で、海の家やお祭りの出店、居酒屋などでよく見かける人気メニューだ。

 一方、関西のイカ焼きは、イカのゲソと小麦粉ベースの生地を2枚の鉄板でプレスしたもの。たこ焼きとお好み焼きとともに“3大粉もの”として知られるファストフードで、甘辛のソースと合わせていただく。

 関西人に関東版イカ焼きを出したら「それはイカの姿焼きやろ!」とツッコまれる可能性大。ご注意を。

【卵サンド】サンドイッチに厚焼き卵?

 サンドイッチの定番ともいえる卵サンド。

東西の「卵サンド」

 マヨネーズであえたゆで卵のサラダが入っているのが関東では一般的だが、関西の喫茶店ではどうやら違うらしい。

「関西の純喫茶の卵サンドは、ほとんど厚焼き卵入りのサンドイッチでしたね。神戸や名古屋、長崎や静岡でも、厚焼き卵タイプを出す店が多かったです」

 そう話すのは、全国の純喫茶を1600軒以上訪ねている『東京喫茶店研究所』2代目所長の難波里奈さん。

「私は冷たいマヨネーズが苦手なので、厚焼き卵のほうが好きです。厚焼き卵はアツアツでジューシー、想像以上に分厚く、パンより厚い店もあるほどです」

 最近は、京都の有名店が東京に進出、さらに全国展開のコンビニでも厚焼き卵タイプの販売がスタート。今、時代は関西風を求めている!?

【ところてん】おやつ? おかず? いったいどっち?

 関東で、ところてんにかけるものは酢じょうゆだが、関西は黒蜜が定番。

「ところてんは奈良・平安時代に大陸から伝わった食べ物。江戸時代中ごろまで国産の砂糖はなく、貴重品だったので、昔は塩系の味で食べていたのでは」

 とは、和菓子について数多くの著作をもつフードライターの中島久枝さん。昔は奈良や京都が文化の中心地。雅な人たちが希少なお砂糖で食べていて、それが定着した可能性も。実は、ところてん論争は酢じょうゆVS黒蜜にとどまらない。

「高知・愛媛では、かつおだしや麺つゆで食べていたり、群馬などでは箸1本で食べる文化もあります」

【桜餅】ピンク色は一緒でも、原料からまるで違う!?

東西の「桜餅」

「関東では小麦粉などで作ったクレープ状の皮に餡を包んだ“長命寺”タイプ、関西では道明寺粉のお餅で餡を包んだ“道明寺”タイプを桜餅と呼びます」

 と前出の中島さん。違いが生まれた理由は諸説あるが、「江戸では長命寺タイプの桜餅が大ヒット。対して道明寺タイプは細く長く続いた和菓子。西の人が江戸のヒットを快く思わず取り入れなかったのかも?」

【ひなあられ】スイーツ系とおつまみ系が!?

東西の「ひなあられ」。東/栗山米菓、西/とよす

「関東では米をはぜた菓子を砂糖で味つけ、関西ではあられをしょうゆなどで味つけします」(中島さん)

 関東のひなあられは、ひな祭りが五節句のひとつと定められた江戸時代に生まれたといわれるが、一般化されたのは明治以降。一方関西は、平安貴族のひな遊びが始まりとか。

「商品化は戦後のこと。それまでは各家庭で作っていたようです。保存食の干した餅で作っていたのでは」