韓国でデビューして8年。日本デビュー6年。6人組の“野獣アイドル”として、多くのファンの心をつかんでいる2PM。

 音楽活動だけではなく、俳優としても数々の作品に出演し、その存在感を発揮しているテギョンが、ソロアーティストとしてスペシャルアルバム『TAECYEON SPECIAL〜Winter 一人〜』を1月18日にリリース。発売直前のテギョンに会ってきました。

TAECYEON(from 2PM) 撮影/廣瀬靖士

──ファンのみなさんが待ちわびていた、ソロスペシャルアルバムを発表しますが、いまどんな心境ですか?

「もちろん、うれしいですよ。でも、すごく興奮している感じでもないし、ちょっと時期が早いかな? というわけでもない。まっすぐに進んできたら、自然の流れでソロ活動ができることになって、それを受け入れているという感じが近いかもしれないです」

──なるほど。自然に受け入れたというソロ活動。不安はなかったですか?

「ないんです。ソロアーティストとしての自分をしっかり見てもらうぞ! というよりも、いままで僕が続けてきた音楽活動をまとめたものに、みなさんに触れていただく感覚なんです。だから、落ち着いて受け止められているんじゃないかと思います。

 制作期間は、3か月くらい。2PMのメンバーと韓国のバラエティー番組でオーストラリアへ行ったり、映画の撮影をしたり、テレビ番組やラジオ出演と、いろいろとある中、新たに4曲作りました。ハプニングもなく、順調にできあがりましたね。ただ、クリエイティブな作業なので、少しナーバスになっていた時期もあったと思います」

──グループでは、ラップを担当されているテギョンさん。今回は、歌声がふんだんに収録されていますね。

「レコーディングをしながら、やっぱりラップがいいなと思うときもありました(笑)。例えば、2PMの曲として発表したもので僕が作った楽曲を歌うと、聴きなれているメンバーの歌声とは違って、ちょっと惜しいなと感じることがあって……。僕の歌声を聴いたみなさんが“テギョンが歌うとこういう感じになるんだな”と、独特の味だと思っていただけたらうれしいです」

──アルバムのタイトル曲『Winter 一人』は、そのタイトルどおり、離れていく女性を思う悲しい曲ですね。

「この曲を作るときにイメージしたクリスマスは、韓国では休日なんです。でも、僕はこうやって音楽活動するようになってから、恋人と過ごしたこともないし、いつも仕事をしていたなと思います。この時期のアルバムなので、冬の曲を作れたらいいなと思っていました。ちょっと物悲しくて、寂しく過ごす方たちのための1曲が作れたらいいなと」

「ふだんは、めったに泣かないんですよ」

──歌詞の中に“世界の終わりのよう”とありますが、そのくらいショックだった経験はありますか?

「ちょっと意味合いが違うと思いますが、以前、ローマに行ったときに、システィーナ礼拝堂の“天地創造”を描いた天井画を見て、そのインパクトの大きさにショックを受けました。自分もこんなふうに後世に残せるものが作れたらいいな、作り出していきたいなという思うようになりましたね」

──今回のアルバムが、そのひとつですね。

「かな? いやいや(笑)、まだまだです」

──もうひとつ歌詞から、連絡しても返事が来ない友人に“あいつも今日は彼女とデートだ”とありますが、もしデート中に友達から電話が来たら、返事します?

「冷たい友達ですよね。でも、僕も電話には出ないと思います(笑)」

──2PMのメンバーからでも?

「メンバーは、僕があまり電話に出ることが好きじゃないと知っていますから。よっぽどのことがない限り、かけてこないし、僕もかけません(笑)。以前、ウヨンにちょっと聞きたいことがあって電話をしたら、“どうしたの? なにかあった?”って、すごく驚かれちゃって。だから、メンバーからの電話には出なくても大丈夫なんです(笑)。SNSのメッセージは平気ですね。すぐに、返事もするし。なんで、電話だけ苦手なんだろう?」 

──ひと粒の涙を流しているジャケット写真を拝見したときに、2PMの活動休止前の最後のコンサートとなった、東京ドーム公演を思い出しました。あのとき、少しうるっとされていましたよね。

「(テレながら)はい、そうですね。ふだんは、めったに泣かないんですよ。でも、すごく感動的なことがあると、涙が出てきます。ファンのみなさんは、なぜか誤解されているみたいで、僕がよく泣く人だと思っているみたいなんです。でも、改めて言いますが、僕は、そんなに泣くタイプではありません!

 あまり感情を表に出さないほうで、泣く演技のときは、どうしたらいいんだっけ? と、思うくらいですから」

「いま、この瞬間の僕を感じてほしいです」

──そうなんですね(笑)。雪が舞っているジャケット写真もありますが、雪の日の思い出ってありますか?

「5年前のクリスマスだったと思います。韓国で降ってきた雪を見ながら、今回のアルバムにも収録している『I LOVE U,YOU LOVE ME』を作りました。まさに“Winter 一人”で(笑)。年末を僕のように寂しく過ごしている人がいるはずだ、じゃぁイベントをしようと思って、韓国でクリスマスイベントを開催するようになりました。去年で、4回目です」

──そんなテギョンさんなら、女心もよく理解しているはず。

「すみません。なかなか、わからなくて……。誰かに思いを抱いているけれど、うまく届かない気持ちは、どんな男性でも経験があるんじゃないかと思います。それは、僕自身も同じで」

──ちなみに、イベントや記念は大切にしますか?

「う〜ん。相手によって変わると思います。すごく大切にする人であれば、きっと一緒にお祝いすると思うし、そうじゃなかったら、そうじゃないだろし……。

 例えば、自分の誕生日が近づいてきたら口に出すんです。“もう少しで誕生日なんだ”って。“とくに欲しいものはないから、おめでとうって言ってね”と、自分から。同じように、友達にも誕生日だったら言ってねと伝えています。それと、僕のファッションセンスはみなさん、ご存じだと思います(独特な服装で“ファッションテロリスト”と呼ばれることも)。相手が喜ぶものをプレゼントしたいので、なにが欲しいかをちゃんと聞きます(笑)」

──最後に、今回のアルバムはどんな作品に仕上がったと思いますか。

「いまの自分をうまく表現できたんじゃないかと思います。カッコいい部分もあれば、悲しい面も、楽しいところもある。リード曲の『Winter 一人』は、悲しい曲ではあるんですが、その中にちょっとコミカルな部分も入っている。そういう部分が僕らしいというか。いま、この瞬間の僕を感じてほしいです」

──メンバーには、もう聴いてもらった?

「はい。『Winter 一人』は、2PMのみんなとオーストラリアにいるときに、車の中で聴いてもらいました。みんな、不思議な感じがする曲だねって。それと、音楽的に、成長したと言ってくれました」

──自分でも成長したと思いますか?

「はい。成長してなかったら、このアルバムはなかったと思います(笑)」

「僕が、今回のソロアルバムで表現しているものに、じっくり耳を傾けていただきたいです。これから先、しばらく会えない時期がきたとしても“どんな姿で、またテギョンに会えるかな”と、さらに成長した姿を期待して待っていてくださいね」

「コンプレックスは、2つあります」

──肌がキレイですよね。なにか特別にお手入れしてます?

「それは、メイクアップさんのお手柄です(笑)。特別なことは、なにもしてないです。“ダブル洗顔”の意味を最近、知ったくらいですから。ダブル洗顔って、洗顔フォームで2回洗うことだと思っていたんです。メイク落としでメイクを落としてから、洗顔フォームで洗うことなんですよね。そのくらいのレベル。両親に感謝ですね」

──ルックスは当然ながら、歌もダンスも演技もできて、会話のテンポもいい。完璧な男性だと思いますが、コンプレックスや弱点はありますか?

「いえいえ(笑)。コンプレックスは、2つあります。ひとつは、身体が硬い。柔軟性に欠けます。バク転ができるのが、自分でも不思議なんです(笑)。2つ目は、身体に比べて手が小さいこと。生活のうえで、とくに不便はないですよ。でも、もう少し大きかったらいいなと思って」

──曲作りをするようになったきっかけは?

「メンバーのJun.Kのように、デビュー前の練習生のころから作っていたわけではありません。きっかけは、韓国で発表した2枚目のアルバム『HANDS UP』に、ジュノが作った『Give It To Me』が収録されたんです。それがすごくカッコよく思えて、曲作りをしてみようと挑戦するようになりました」

──最近、ハマっているのは?

「映画(『時間上の家』(原題)で神父役)の撮影です(笑)。映画は、僕にとって2本目。1度、経験しているので、スムーズに進められています。最近は、表現することがすごく楽しくて、ワクワクしながら現場に向かって、(自分の演技に)満足して家路につくことができています。あと、数回で撮影が終わるんですよ。寂しくはないか? そうですね。確かに、寂しい気持ちはあるんですが、全神経をそこに集中させるので、大変な部分もあります。だから、どんな仕事でも早く終わらせて、すっきりしたいなと思うタイプです」

──2016年はどんな年だった? 2017年はどんな年にしたい?

「去年は(数え年の)韓国の年で、29歳になりました。30歳という新たなステージに立つ前の最後の年なので、さらに意欲にあふれていた1年だったように思います。(翌年の)17年は、しばらくみなさんに会えなくなる(=兵役につく)ということもあるので、なおさらでした。今年は、まず、ソロコンサートを開催しました。次は、ソロアルバム『TAECYEON SPECIAL 〜Winter 一人〜』のリリースイベントですね。みなさんにお会いできるのが、楽しみです!」


<リリース情報>
『TAECYEON SPECIAL〜Winter 一人〜』
初回生産限定盤A 4500円
初回生産限定盤B 4200円
通常盤 3200円
詳細は公式サイト http://www.2pmjapan.com/